ロケット開発ぐらつく [aサロン]

三菱重工業は、国からロケット開発を請け負い、技術者を育ててきた。ところが、ISSの日本実験棟「きぼう」やH2BHTVの開発が終わり、有人宇宙関連の設計技術者は2001年度に141人いたのが、08年度は58人まで減った。

特に20、30代は数人程度。宇宙関連全体でも08年度の約300人から12年度には100人を切る見通しだ。H3のような新しいロケットの開発などがなければ、多くの技術者を育て続けられない。

H2Aなど基幹ロケットは政府の「国家基幹技術」に指定されている。だが、三菱重工業の年3兆円の売り上げに宇宙関連事業が占めるのは1%だけ。大宮社長は「経営の観点から疑念を抱くこともある」と話した。人員の削減に宇宙開発委員は「これでは日本の将来は暗い」と訴えたが、大宮社長は「難しい」と答えるにとどまった。

宇宙産業も中小企業では見限る会社が増えている。三菱重工などの調べでは、昨年度までの8年間で54社が撤退した。日本航空宇宙工業会によると、98年度に3800億円あった会員企業の売上高は、10年間で2千億円に減少。関係者は「もともと注文数が少ない上、安定需要も見込めないようでは撤退せざるを得ない」と話す。

当然の事ですが、開発する技術は開発する中でしか継承出来ませんよね。図面だけあっても作れないなんて事はざらにある。サターンロケットですらロストテクノロジー状態ですし。また現行のロケットをコスト削減で切り詰めたとしても設計上の限界はありますし、H-Xやイプシロンはそれらの観点から言っても重要なプロジェクトだと思います。

「計画を作った頃の思いはどこに行ったのか。無理なら早く見直してもらいたい」

宇宙機構の立川敬二理事長は今月13日の記者会見で、09年に策定された政府の宇宙基本計画に不満をぶつけた。

人工衛星の打ち上げ回数をほぼ倍増させ、5年間で34機、月面探査や宇宙太陽光発電など研究から産業応用、安全保障分野まで列挙し、5年で「官民合わせて最大2・5兆円の資金が必要」とした。年5千億円がいる計算だが、新年度予算案は3100億円にとどまる。

計画を進める体制も固まらない。民主党が掲げた日本版NASA構想のように、複数の省庁にまたがる宇宙行政を一元化させる「宇宙庁」構想も議論は進んでいない。22日のH2B打ち上げ成功後、国の宇宙開発戦略本部の山川宏事務局長は「体制を早急に見直して、年内に一定の方針を示したい」と話した。

今月の定例記者会見でぶちまけてたんですね。確かに予算を2倍にするとか言っておきながら仕分けなどではそれを見直せと来ました。どないせえと。