東北地方太平洋沖地震関連 2011.04.13

福島・相馬の津波、観測史上最高の9.3m 気象庁分析 [朝日]

 津波による停電や回線トラブルで観測データの送受信が途絶えていたが、岸壁に設置された巨大津波観測計のセンサー部分を職員が回収し、分析した。

 分析結果によると、3月11日午後2時46分に発生した地震により、3時35分までに最大1.2メートルの引き波となり、その後急激に潮位が上昇した。3時50分に7.3メートル、その1分後に9.3メートルを観測した。記録は4時14分で途絶えており、後続の波がさらに高かった可能性もあるという。

痕跡ではなく機器で計測したものとしては過去最高だそうです。

沿岸を無人で漂流する「迷い船」360隻 [読売]

 釜石や宮城などの各海上保安部は3月12日から連日、巡視艇やヘリで沿岸パトロールを続けている。360隻にはいずれも船員がおらず、所有者割り出しにつながる船名や登録番号が船体から確認できたのは236隻。残りは転覆などで確認できなかった。

 人命救助を優先し、新たな船発見に力を注ぐため、港まで引航したのは42隻、うち所有者に引き渡せたのは5隻にとどまる。42隻以外は海に漂ったまま。ほかの船舶には危険だが、「安全航行のための注意喚起をするしかない」という。

 同庁は、引航した船は所有者に引き渡す方針だが、所有者を捜す作業が追いつかず、分かっても「被災されたのか、連絡が付かない」(総務部)場合もある。

 釜石海保は津波で事務所が破壊され、職員全員が巡視船で業務にあたっている。引地三郎次長は「こちらも震災で混乱している中、捜索と所有者割り出しを同時並行で進めるのは困難」と説明する。

これもなかなか収集が付かないですよね。レーダー衛星で難破船などの物体を検出することはできますが、実際に手が回らないのまではどうしようもないので。

震源域東側でM8級、早ければ1か月内…専門家 [読売]

 M9・0の東日本大震災は、押し合っていた海のプレートと陸のプレートの境界面が破壊されて起きた。そのため周辺の地殻にかかる力が変化し、東日本全体で地震が誘発されている。

 京都大防災研究所の遠田晋次准教授(地震地質学)は全地球測位システム(GPS)の測定データから、海のプレート内部で引っ張られる力が強くなっていることを突き止めた。明治三陸地震(1896年)の37年後、昭和三陸地震を起こしたメカニズムと共通しているという。「今、昭和三陸規模の地震が起きると、仙台市で10メートルの津波が押し寄せる計算になる」と言う。

まじやめて…

安政南海地震で大阪に大津波、瓦版が被害・教訓記す [日経]

湾内でも油断は禁物です。梅田の地下街とかも気になります。

4号機プール「燃料損傷は部分的」 水分析結果を公表 [朝日]

 4号機は地震時に定期検査中で炉内の燃料がすべてプールに移されていた。爆発で建屋が壊れたことから、燃料が大きく損傷した可能性が指摘されていた。 東電は12日、コンクリートポンプ車で4号機の燃料貯蔵プールの水約400ccを採取して放射能を分析した。ヨウ素131は1ccあたり220ベクレル、セシウム134は88ベクレル、セシウム137は93ベクレル含まれていた。いずれも通常は検出限界以下か1ベクレル未満という。

 ただ、数百万単位の値が出ているタービン建屋などの汚染水に比べれば低く、東電は「燃料の一部は破損しているが、大部分は健全」とみている。爆発による落下物で燃料が損傷したり、周辺に漂っていた放射性物質が取り込まれたりした可能性もあるという。

やっぱり崩落の影響でしょうかねえ。

使用済み核燃料の搬出、東電検討 高い放射線量が壁 [朝日]

 発電に使われた後も発熱を続ける核燃料は通常、すぐには原子炉建屋の外には出さず、専用のプールで数年間冷やしてから「キャスク」と呼ばれる密閉型の鋼鉄製容器に移して運び出す。だが、福島第一原発の1、3、4号機では、爆発などで建屋の屋根も吹き飛び、プールが雨ざらしになっている。使用済み燃料の搬出が必要な状態だが、プール内の燃料、燃料を運ぶための設備なども爆発などで損傷し、通常の手順では運び出せない可能性が高いという。

 このため、東電は3月から燃料を運び出す方法の検討を開始。まずは燃料の損傷の有無を調べるため、12日に4号機のプールの水を採取した。コンクリート用ポンプ車を用意し、長さ62メートルのアームの先端にサンプリングの容器を装着。建屋の爆発でできた隙間から入れて水を採取し、測定結果から放射性物質の状態を推定する。

 その作業を経たうえで燃料を取り出す計画案をまとめた東電の内部文書によると、まず、通常のクレーン設備が使えないとみられる1、3、4号機では、建屋の外側に鉄骨を組んで新たな大型クレーンを設置▽クレーンでキャスクをプールに搬入▽キャスクに燃料を入れて建屋外に運び出す――という手順だ。だが、重量約100トンのキャスクをこの方法でプールに搬入できるかが確かでないため、クレーンで地上に設けた仮設プールに燃料を移してから、キャスクに入れる方法も検討されている。

 また、作業員の被曝(ひばく)を防ぐため、1979年に米国で起きたスリーマイル島(TMI)原発事故の後処理を参考に、専用装置でクレーンなどを遠隔操作する方法も検討対象になっている。TMI事故の際にこの装置を開発し、作業を請け負った米国企業は現在、東芝のグループ企業で、東電はその技術の活用も想定。TMIでは、作業員が専用装置を遠隔操作し、一部溶融して通常の方法では取り出すことができなくなった燃料を少しずつ運びだす方法だったという。

福島原発の廃炉、汚染除去に百年 英科学誌が見解紹介 [共同]

 記事は1979年に米国で発生したスリーマイルアイランド(TMI)原発事故処理に加わった複数の専門家の見解に基づき、損傷しているとみられる燃料を含めた炉内の放射性物質の除去に長期間を要する上、原子炉の冷却が進んで中の状況を調べられるようになるまでも長い時間が必要になると指摘。

 沸騰水型原子炉の特徴として、多数の配管や弁などが複雑に配置されていること、使用済み燃料を運び出すためのクレーンなどが爆発で破損していることなどによって、福島第1原発廃炉は「TMIよりはるかに困難な作業になる」との意見も紹介。

 TMIよりもはるかに大量の汚染水の処理が必要になることからも、86年に原子炉が爆発し、最終的な対策の除染の終了が2065年までかかるとされている旧ソ連の「チェルノブイリ原発と同様の除染対策が必要になるだろう」と指摘した。

色々検討が進められていますが、いずれにせよかなりの年月がかかることは確実でしょうね。当面はまず冷却をどうにかしないとなかなか先には進みません。プールの分はよほどの損傷が無ければ思い切ってサルベージしたりするんでしょうか。

[FT]福島原発、レベル7は適切か [日経]

フィナンシャルタイムズ紙。

 原子力の専門家らはチェルノブイリ放射線の影響の方がはるかに深刻だったとの見方で一致している。理由は主に2つある。

 まずチェルノブイリでは、激しい爆発が核物質を上空9キロまで吹き飛ばし、ウクライナから遠く離れた場所にも放射性物質をまき散らした。事故から25年経っても、現場から2000キロ離れた英国北ウェールズの農家は、汚染物質のため、いまだ土地利用を制限されている。
 次に日本の当局は福島原発の事故直後、緊急作業員と地元住民を放射線被曝(ひばく)から守った。英ポーツマス大学の環境物理学者、ジム・スミス氏は「住民を避難させ、食品の摂取禁止を発令し、ヨウ化カリウム錠剤を配布することで、日本の当局は福島原発による最も深刻な健康被害を防いだはずだ」と言う。

 「チェルノブイリでは、地元の人々は事故後およそ48時間経つまで避難させられなかった。原子炉が燃えているのに子供たちは外で遊び、ヨウ化カリウム錠剤も配られなかった。チェルノブイリ事故が起きてから何週間も人々は放射性ヨウ素に高度に汚染された牛乳や野菜を食べ続けた」

 福島第一原発の周辺では、短命な放射性ヨウ素131(半減期は8日間)のレベルが急速に低下しており、事故からまもないころの10%程度に減退した。

福島ごみ「受け入れるな」 川崎市に市民ら苦情2千件超 [共同]

 川崎市阿部孝夫市長が福島県などの被災地を7、8両日に訪れた際、災害廃棄物処理の支援を表明し、川崎市民らから「放射能に汚染されたごみを受け入れるな」などの苦情が2千件以上寄せられていることが13日、市への取材で分かった。担当者は「汚染ごみは運べるはずがない」と説明、対応に追われている。

被災地から発生した災害廃棄物の処理について [川崎市]

災害廃棄物の本市への受入れにあたりましては、災害廃棄物の処理に関する全体的な計画が示された段階で、その計画に基づき、関係自治体とも協議しながら、健康と安全を第一に処理の体制を検討していくこととなります。また、放射能を帯びた廃棄物については、低レベルであっても、移動が禁止されておりますことから、本市で処理することはありません

これほど露骨な風評もなかなか無いですな。

東日本大震災:「放射能怖い」福島からの避難児童に偏見 [毎日]

 南相馬市の小学生の兄弟のケースは、避難者の受け入れ活動に熱心な船橋市議の一人が把握し、市教委に指摘した。市議によると兄弟は小5と小1で、両親と祖父母の6人で震災直後船橋市内の親類宅に身を寄せ、4月に市内の小学校に転校、入学する予定だった。

 兄弟は3月中旬、市内の公園で遊んでいると、方言を耳にした地元の子供たちから「どこから来たの?」と聞かれた。兄弟が「福島から」と答えると、みな「放射線がうつる」「わー」と叫び、逃げていった。兄弟は泣きながら親類宅に戻り、両親らは相談。「嫌がる子供を我慢させてまで千葉にいる必要はない」と考え、福島市へ再び避難した。

 福島県から県内に避難し、この家族をよく知る男性は「タクシーの乗車や病院での診察を拒否された知人もいるようだ。大人たちでもこうなのだから、子供たちの反応も仕方がない。でも、当事者の子供はつらいだろう」と話す。

 今回の船橋のケースも踏まえ、放医研の柿沼志津子博士は「大人をまず教育したい。受け入れる側が心配すべきことは何もありません。むしろ心配しすぎる方が体に悪い」と指摘。

はだしのゲンからまるで成長していない…
学校側も気を遣ってはいるようですが、子供って元来こんなものかもしれません。でもこのご時世特にこういうのは「仕方ない」で済ませず親がちゃんと教育しとくべきものですよね。まあその親までこんなならもうどうすんだよって感じですけど、実際大人ですら現状似たようなケース頻発してますし「大人をまず教育したい」は箴言です。