東北地方太平洋沖地震関連 2011.05.09

腐食進展抑制でプールに薬剤 [NHK]

福島第一原発では、事故で冷却機能が失われたあと、原子炉や使用済み燃料プールを冷やすために、真水の代わりに、一時、海水を注入しました。このうち、3号機と4号機の燃料プールには、それぞれ4556トンと721トンという比較的大量の海水が入れられ、海水に含まれる酸素や塩素によって、配管などの腐食が進むことが懸念されています。このため、東京電力は、9日、ヒドラジンという水の中の酸素を取り除く効果がある薬剤を混ぜた水を、3号機のプールに80トン、4号機には100トン注水しました。

へえ、ヒドラジンって酸化防止にも使われるんですね。調べてみると火力発電所などにも普通に使われているそうです。もちろんロケットの推進剤などのような高純度ではなく、かなり希釈されたものですが。

4号機の激しい損壊、水素爆発以外の原因か [読売]

 建屋内には、原子炉内のポンプを動かす発電機の潤滑油貯蔵タンク(約100トン)があるほか、溶接作業などに使うプロパンガスのボンベもあったとみられ、東電で関連を調べている。

 東電はプールの水を調査。その結果、放射性物質の濃度が比較的低く、水中カメラの映像でも、燃料を収めた金属製ラックに異常が見られないことから、空だきが起きていたとは考えにくいことがわかった。

前回は一瞬でしたが、今回はかなりじっくり見回すことが出来ましたしね。

原子炉建屋内に作業員ら入る 1号機の安定冷却へ作業 [朝日]

 9日午前4時18分から29分間にわたり東電社員7人と経済産業省原子力安全・保安院の2人が建屋内に入り、今後の作業に向けて放射線量を測定し、現場の状況を確認した。1号機の原子炉建屋に人が入ったのは、換気設備を設置した5日に続き事故後2度目。初めて2階にも入った。

 作業を予定する場所の線量は毎時数十ミリシーベルト程度で、一部で600〜700ミリシーベルトを計測した。今後、鉛のマットで覆ったり、拭き取ったりするなどの対策を検討する。作業員の被曝(ひばく)は最大で10.56ミリシーベルトだった。建屋や機器に、目立った損傷はみられなかったという。

 二重扉を開放すると、空気が建屋内に流れ込み、爆発で壊れた天井から放射性物質が放出される。午前8時現在、敷地内8カ所で測っている放射線量は扉開放前の8日午後8時と比べてほぼ変わらず、原発から5キロ圏内にある5カ所の測定点でも9日午前0時までに目立った変化はなかった。

作業員が立ち入って直接放射線量の測定を行ったそうです。空気はだいぶ浄化できたものの、放射性物質が周囲に付着しているようですね。

女川原発、運転再開容認する考え…石巻市長 [読売]

 女川原発は、運転中の1、3号機と、定期検査で原子炉が起動中だった2号機が、地震でいずれも自動停止している。亀山市長は「(地震で起きた)配電盤火災などは安全対策をしてもらわねばならない」としながら、「福島第一原発のようにならなかったことで、津波対策はある程度評価している」と語った。

浜岡の停止は津波対策が理由ですから、冗長系を強化すれば再開の目処は立つでしょう。しかも東北電力東京電力から融通を受けている状態だそうですし。

浜岡、数日で運転停止…東電への融通取りやめ [読売]

 中部電力の水野明久社長は9日、臨時取締役会後の記者会見で、浜岡原子力発電所静岡県御前崎市)の停止時期について、「おおよそ数日以内」との見通しを明らかにした。

 全面停止に伴い、東京電力九州電力などに対して行っている電力の供給支援は打ち切る。

そして中電から東電・九電への融通もストップすることになります。

中部電、浜岡原発の全炉停止決定 計画停電は回避へ努力 [朝日]

というわけで中電は受け入れました。かなり早い決断でしたね。

 中部電の発電電力量に占める浜岡原発の比率は2010年度実績で約15%。これを埋め合わせるため、今後、停止中の武豊(たけとよ)火力発電所(愛知県武豊町)3号機を急きょ稼働させ、東京電力東北電力への融通をとりやめる。

 それでも、夏場の需要ピークを上回る余裕電力の比率は、7月には、適切とされる8〜10%を大きく下回る2%まで落ち込むため、関西電力など西日本からの融通も求めて計画停電の回避に努力する。

 ただ、火力発電の出力増強に必要な燃料調達は「大変厳しい」(水野社長)。調達量を増やすため中東カタールを訪問していた三田敏雄会長もこの日の取材に「調達できる量や価格はこれから」と述べた。このため、「電力需給対策本部」を立ち上げ、企業や家庭への節電も呼びかけていく。

火力の発電量を上げるにも燃やすものが必要ですから、発電所があるからと言っても簡単には稼働率を上げられません。過去に止めた実績があるといっても今は全国的に余裕の無い状態になってきてますしね。

エアコンやめ扇風機、50%節電 政府、家庭用メニュー [朝日]

 東日本の今夏の電力不足に対応するため、菅政権が家庭向けに節電対策メニューをつくった。家庭の削減目標は15%。メニューで示した11項目の節電効果の数字を組み合わせ、15%を超えれば目標達成だ。エアコンを扇風機に替えれば、使用電力を50%減らせる。10日に決定予定の電力需給対策に盛り込まれる。

さらっと言いますけど、根性だけではどうにもならない事もありますよね。建築様式は昔と違うんですし、体が丈夫な人ばかりでもありません。