東北地方太平洋沖地震関連 2011.05.14

1号機建屋たまり水3千トン 冠水計画、事実上断念 [朝日]

 東電によると、作業員が13日に原子炉建屋に入ったところ、南東側の地階の床から天井まで約11メートルのうち、半分程度の高さまで、水が3千トンほどたまっていた。たまり水の放射線量は測定していないが、格納容器内の水が漏れ出したと考えられ、高濃度に汚染されている可能性が高い。地下には原子炉格納容器につながるドーナツ状の圧力抑制室がおさまっている。

ああ、やっぱりここに溜まってましたか…。圧力抑制室のあるスペースだそうです。タービン建屋のある方向に向かって水流が見えたという話があります。

 また、13日に無人ロボットを使い、これまで計測していなかった1号機原子炉建屋1階南東側の放射線量を測定した。事故後計測した空間放射線量では最高の毎時2千ミリシーベルトを原子炉圧力容器につながる配管近くで計測した。

これもヤバイ線量ですね。

2、3号機もメルトダウンの可能性…東電認める [読売]

 東京電力は14日の記者会見で、2、3号機の原子炉について「最悪の場合、1号機と同様のケースが想定できる」と説明し、核燃料全体の溶融(メルトダウン)の可能性を初めて認めた。


 1号機では、11日に水位計を調整した結果、炉内の水位が低く、燃料が冷却水から露出して溶けたことが確実となった。2、3号機の水位計はまだ調整していないが、1号機と同じ仕組みのうえ、もともと1号機より低い水位を示している。

 ただ、東電は炉内の温度などから、2、3号機は1号機より燃料の損傷が少ないと推定している。

まあ1号機がこういう状態になってる時点で他もその可能性が高いですよね。もしかしたら同様に圧力容器下部の溶接部分から汚染水が漏れ出し、そこからタービン建屋地下に流入しているのかもしれません。逆に、ある程度経路が見えてきたとも言えるかも。

福島第一原発作業員が体調不良、病院で死亡 [読売]

 東電によると、男性は午前6時頃から、高濃度汚染水が移送されている集中廃棄物処理施設内の4つある建物の一つで、同僚男性と電動ノコギリを2階から1階に搬送している最中に体調不良を訴えた。同原発内の医務室に運ばれ、作業員の活動拠点「Jヴィレッジ」で医師の診察を受けた後、午前8時35分頃、病院に搬送された。男性のいた建物地下2階に汚染水が貯蔵されていたが、男性は防護服を着ており、被曝(ひばく)線量は0・17ミリ・シーベルトで、身体に放射性物質の付着はなかったという。男性は、前日の13日から同原発に入り、午前6時〜9時の作業時間で働いていたという。

劣悪と名高い現場の状況からすれば、ついに死者がでてしまったか…という感じです。状況からすると放射線は全く関係ないでしょう。60代だったそうですし、急な負荷がまずかったんでしょうか。

関連:東電、1号機冷却に向け機材準備 汚染水浄化設備も搬入 [共同]

 福島第1原発事故で東京電力は14日、1号機の新たな冷却システム構築に向け準備を進めた。この日は、前日に敷地内に運び込んだ空冷式の冷却装置2台を配管でつなぐほか、原子炉建屋内で熱交換器や配管の設置場所を確認。

 ただ東電関係者によると、現段階は作業全体の「1合目」。1号機ではメルトダウン(全炉心溶融)が起きて燃料が圧力容器の底にたまり、穴も開いているとみられている。格納容器に水を入れ、燃料を圧力容器ごと「冠水」させた上で、水を循環させながら冷やすシステムの構築が、当初の想定通りにできるかは不透明だ。

こちらに熱交換機の写真もあります。コンテナくらいの大きさ。

原子炉建屋覆うカバー、設置準備始まる 福島原発1号機 [朝日]

 鉄骨をくみ上げポリエステル製のシートを張る。カバー(縦47メートル、横42メートル、高さ55メートル)の総面積は約1万平方メートルになる。大型クレーンでつり上げて設置することになる。13日は大型クレーンを作業現場に運ぶための道路や、鉄骨を置くための場所を整備した。

 東日本大震災で被災した1号機は、爆発で原子炉建屋の屋根が吹き飛んだ。その際に原子炉から核燃料が破損して出た放射性物質が大気中に飛散した。カバーで建屋全体を覆い、放射性物質のこれ以上の飛散を防ぐ。ゆくゆくは原子炉建屋の周りにひと回り大きなコンクリート製の建屋を造る予定。カバーはあくまで暫定措置という。

ビル工事現場みたいな感じになるんでしょうかね。カバーの内側は空気清浄機で換気するそうです。

廃棄された原発無人ロボット 東電など「活用場面ない」 [朝日]

 遠隔操作ロボットをめぐっては、1999年に茨城県東海村で起きた「ジェー・シー・オー(JCO)」の臨界事故を受け、当時の通商産業省が同年度にロボットの開発費として30億円の補正予算を計上。開発事業を受注した日立製作所三菱重工業東芝など4社は2001年に計6台のロボットを製造した。だが、電力会社などからの配備希望がなかったという。

 その後、東京電力関西電力原子力担当幹部や、原子力開発関連の国の外郭団体幹部など5人で構成される実用化評価検討会は02年12月、「高放射線下の災害現場の状況調査・監視などの作業には使用が想定される」としつつ、人に比べて歩行速度が遅く、移動可能距離が短いことなどを指摘。災害現場では人が作業できるエリアは必ず確保されており、人が現場で作業を行うことは十分可能として、「原発などの災害で活用する場面はほとんどない」と結論づけた。この結果、不要とされた6台は06年3月、廃棄処分となった後、一部は東北大に引き取られた。そのうち1台が現在も仙台市科学館で展示されている。

 JCO事故後のロボット開発を推進していた製造科学技術センター調査研究部の間野隆久氏は、「万一の事故に備えた態勢づくりが必要とのコンセンサスはあったが、肝心の電力会社に『原発で事故は起きないのだからロボットは不要』という考え方が根強かった」と指摘した。田所諭・東北大教授(ロボット工学)は、「当時、わずか半年で既存の技術を集めただけで一定水準のロボットができた。実用化されていれば、その後の10年間でさらに性能は上がり、今回の事故で作業員の負担を減らし、被曝(ひばく)量を減らすことにも貢献できたはずだ」と話している。

事故は起きないものと考えるというのはフェイルセーフとして終わってますよね…。放射性物質を扱っている以上はそこまで考慮すべきはずですが。
ところでこのSWANというロボット、なんかヒョロッと変わった形してるなあと思って調べてみたら可変型クローラーなんですね。

【レポート】世界一のロボット国が誇る製品が一堂に(1) サンダーバード的原発用国産ロボ [MYCOM]

10年前の記事ですが、面白いギミック。他にも色んなのがごろごろあります。ここまで研究してたのに勿体ねえ…