イプシロンロケット模擬射点音響環境計測試験の実施結果について(第1シリーズ) [ISAS/JAXA]

おっ、イプシロンがいよいよ表立って動き始めました。

宇宙航空研究開発機構は、イプシロンロケットプロジェクトチームを中心に設計解析を実施して設定した発射台形状の音響環境を確認するため、スケール比1/42の模擬射点を製作し、小規模固体モータによる模擬射点音響環境計測試験を下記のとおり実施しました。

イプシロンロケットでは、発射時のロケット噴流(プルーム)による音響環境を従来に比べて緩やかにする発射台(射座・煙道)形状を選定する計画です。

ロケットの打ち上げ時の音は、周辺の生活環境への影響だけでなく、衛星等機器の存立を左右する決定的な存在です。特に固体ロケットモータの有する高い推力は、通常の流体機械の騒音問題とはかけ離れたレベルの高音圧の源となります。
ノズルから排出される高速高温プルームは、それ自身が音源となるとともに、排気流と射場(例えば、デフレクタや煙道)と干渉して新たな音源を形成し、こうして発生した音は、射場構造物との反射や空気伝播を経て上昇中の機体に到達して、フェアリング内部の搭載物を加振します。予想される加振レベルが高い程、搭載物の耐振設計余裕を増す必要が生じるため、ロケット打ち上げ時の様々な音源の特性を把握して射場設計など適切な音響対策を施すことができれば、イプシロンロケットでは信頼性・コストにおいて競争力を高めることができると考えています。

射点設計の試験のようです。松浦さんによるとM-Vでは射点の煙道を簡素化したことにより衛星への振動が大きくなるという問題があったそうで、これはその辺の抜本的な見直しでしょうか。