赤外線天文衛星「あかり」(ASTRO-F)の電力異常について [JAXA]

 平成18年2月22日に打ち上げた赤外線天文衛星「あかり」(ASTRO-F)は、要求寿命1年、目標寿命3年を超えて運用しておりましたが、5月24日午前5時30分頃(日本時間、以下同)、バッテリの蓄電量の低下により、軽負荷モード(注1)に移行し、搭載観測機器、Xバンド送信機の電源がオフ状態となっていることが、内之浦局での受信データにより判明しました。

 その後、蓄電量の低下が進み、日陰により衛星への電力供給が断たれた後、日照により初期状態(注2)に移行したことを午前11時20分に確認しました。

 現在は、太陽電池パドルによる電力発生のある時間帯のみ、衛星への電力供給がなされている状態です。

どうやらバッテリが使えず、パドルで発電できる時だけしか動かせない状態らしい。ロストというわけじゃないですが、このままだと観測運用は厳しそうですね。電源系という意味では「だいち」と同様ですが、これはバッテリそのものの劣化なのか回路の問題なのか気になるところです。
「あかり」は世界最高精度の全天観測を1年の予定を上回る1.5年にわたり実施し、既にフルサクセスを達成しており、冷却用液体ヘリウムを使い切った後は機械式冷凍機で観測を続けてきました。他の部分はだいたい健全なので残念ではありますが、もし復旧できなくてもお疲れ様と言いたいところです。