『はやぶさ地球帰還1周年記念講演会』に行ってきた 2011.06.12
この記念すべき日に豪華ゲストの講演会があるということで東京さ行って参りました。事前予約ですが、かなり集まったようです。
場所は都内某所の三輪田学園の講堂であります。かなり綺麗で想像よりずっと大きい場所です。小一時間前に会場に着きましたがどんどん来場者が集まってきます。会場内はフラッシュはダメですが録音や撮影は大丈夫とのことだったので撮ってきました。さすがに全部は載せませんがw(多いし今後の講演のネタバレしすぎもまずいでしょうし)
オープニング 中谷泰子さん「Back to my Arms」(「祈り」ラストシーンの曲)
「あの曲」で開演。音割れせずけっこういい音響です。さすが安定のヴォーカルですね(大きい拍手)
開会の挨拶
高橋典嗣さん(日本スペースガード協会理事長)
解説「はやぶさ打ち上げから帰還までのエピソード」
- ―表舞台裏舞台をご存じの細田先生
- 前座です(会場笑い)
- (プロジェクタが繋がらず)これディスプレイなかったらこのまま10分繋げるんですか(会場爆笑)
- 10分と短いので7年間を猛スピードで振り返るんですが…
- (まだ直らず)これはやはり漫談をしろと?(会場爆笑)
- はやぶさツイッターもやっております
- この中でフォローしている方は…(ズラリと挙手)ありがとうございます皆様のおかげでございます!
- (引き続き直らず)この程度のトラブルははやぶさに比べればたいしたことは無いです(会場爆笑・拍手)
- …こんなこともあ(ry(会場爆笑)
- (直った)もう残り時間が無いんじゃないかと(会場笑い)
0.5muriくらいだそうですww
- MUSES-Cと呼ばれていた頃 打ち上げ前の講演 来場者数人ぐらい 出るに出られない感じの女の子2人 こんな時代もあった
- 2003年5月打ち上げ
- インターネット某所から拾ってきた当時の書き込み
- 「新聞の一面に載ったり夜のトップニュースで紹介されたり、ワイドショーのコメンテーターから好意的な意見をもらったり……しねえよな。どう考えても」
- 全部本当になりました(会場爆笑・拍手)
- 2003年のJAXAは厳しい時期だったが、電気推進併用スイングバイを世界で初めて成功
- このとき地球の写真を撮っている ひまわり5号が不調だった時で、1日だけの気象衛星はやぶさに
- イトカワタッチダウン 固唾とか色んなもの(リポD)を飲んで不眠不休ブログで世界に発信 例のドリンクで血糖値が心配
- 本来の講演なら40分位かけるが今回はこの1枚だけ
- 6/13パブリックビューイング キャンパスがぎゅうぎゅう Twitterはもちろんネットがそもそも繋がらない
- 会場で手書きTwitter 手書きリプライ 限られたリソースで戦うのに慣れておられる(会場爆笑)
- アニメが好きなので(会場笑い)
- 最後僭越ながらモノマネを(フリップ見た時点で会場笑い)
- はやぶさめ まんまと盗みおって!(ダミ声)
- いえ、あの方は何もとらなかったわ(裏声)
- いや、やつはとんでもないものを盗んでいきました!(ダミ声)
- あなたの心です!(会場爆笑・大拍手)
兄さん前座なのに飛ばしまくりです! この日一番笑い声の大きかったプログラムでしたw 次は是非フルバージョンで聴きたいですね。
講演「『はやぶさ』から『はやぶさ2』へ:小天体探査の意義と今後の展望」
- 細田さんの話面白かったですね、もっと長く話してもらいたかったですけど
- 実は(私も)前座です(会場笑い)
- 軌道専門ではやぶさでも軌道決定を 途中からプロジェクトサイエンティストとして
- はやぶさが教えてくれたこと 新しい技術に挑戦すること
- 初めての天体 今回もこれを持ってきました(1/2000イトカワ・会場笑い)
- 細長い形は分かっていたが表面がでこぼこなのは想定外 びっくりして感動
- トラブルに打ち勝つチームワーク JAXAだけでなく大学やメーカーさんも
- あきらめの悪いメンバーばかり集まってきた はやぶさを地球に戻すんだというところで一致した
- 信頼性を上げる 2に繋げる
- はやぶさ2は戻ってくるのが2020年 若い世代に 今の小中高など参加して欲しい
- 想定外 色々あったが帰ってきた後も
- 映画化 数々の賞(普通なら無縁な賞) 川口先生個人のが多いのですが 流行語大賞を逃したのは残念(会場笑い)
- ノミネートされること自体が凄いんですけど
- 図の白いところは帰る前
- 地震直前 日本ファッション協会の授賞式直前に地震 中止に 歩いてJAXAに戻った
- スペースガードとしては天体衝突 他人事ではない
- サンプルキャッチャーの中に先端5mmのヘラでたくさんの微粒子が
- 技術が発達しているので数ミクロンを何枚にも切って分析
- イトカワの姿 どこを見てもでこぼこだらけ
- 小惑星を発見したリニアプロジェクトに頼んで「イトカワ」と命名
- ペンシルからちょうど50年後にイトカワに到着
- さまざまな小惑星 形はいびつ 共通してクレーターがあるがイトカワにはなくて驚き
- 彗星 ハートレー2はイトカワに似ている
- これらを1つにまとめた写真 イトカワはここにいるが小さくて見えない(会場笑い)
- こんな所に行くこと自体が世界初の挑戦だった
- クレーターがないと思っていても良かった 他の小惑星も500m領域だけ見るとクレーターないので
- しかしこういうイメージがあったので思い込んでいた
- アメリカ はやぶさ2と似てるミッションをやると発表
- はやぶさ2を先に発表してたので似たようなミッションはやらないと思っていたが、やると。
- やはり小さな小惑星の探査を重要視
- その予算は3倍くらいかける それくらいリスクが高いミッションということ
- イトカワ想像図 専門家向け学会でクレーターだらけの画像みせてもこうじゃないよという学者はいなかったが実際はでこぼこだらけ
- 中身はスカスカ
- イトカワ よく見ると小さなクレーター40個くらい確認 ただ非常に目立たない
- 頭のてっぺんに黒い点 ブラックホルダー 母天体の岩?
- ミューゼスの海 1cmくらいの砂利 飛んで行ってると思っていたので意外だった
- 詳細なリモセン サンプルと合わせてより詳しいことが分かってくるのでは
- 地名 相模原 淵野辺 鴨居 横浜線シリーズ(会場笑い)
- 宇宙開発にちなんだ名前 国際天文学連合で認められている
- 「MUSES SEA」は認められなかった 海と言うには小さすぎると(会場笑い)「MUSES-C」に
- 何度も見せているがイトカワラッコ(会場笑い)
- イトカワの形成過程
- 46億年前の物質 小惑星は溶けていない 水や有機物のある小惑星 地球の海や有機物の起源が分かるのでは
- はやぶさ2 ミネルバは次こそ是非成功させたい
- タッチダウン・サンプリングは「はやぶさ」を踏襲 経験があるので確実に
- 衝突装置 人工クレーター せいぜい大きくても5m この中に着陸は非常に難しいが地下の物質を採取したい
- 近赤外分光計 水を検出できるよう調整
- 動き出した 去年の今頃はまだ動いてなかった むしろ事業仕分けで減っていた頃(会場笑い)
- 「はやぶさ」戻ってきてくれたおかげで今年度からプロジェクトスタートできて嬉しく思っている
- スペースガードとしても重要 イトカワ自体も衝突の可能性 今すぐはない 新聞にも取りあげて頂いた
- いくつか衝突例
- 地上からも重要だが 直接行って調べてくるとどういう手段で回避できるかが分かってくる
- アポフィス 2029年は問題ない 2029年に特定の場所を通るとその7年後にぶつかる可能性も 可能性はとても低いが
- 本当にぶつかるのかと思って学生に計算してもらった 2029年に特定の場所を通るとぶつかる結果
- 素性を知っておくこと
- アメリカが有人探査に積極的に
- 資源 鉄隕石
- より大型のミッションに進んでいきたい 若い方も入ってきてもらいたい
- ―はやぶさ帰還の際にどちらで?
- 管制室・運用室にいたが電波が途絶えた後はネット中継を見ようと思ったが全然繋がらないのでじっとしていた
- ―はやぶさ2 サプライズを期待
- なるべく無いように 初めて見る天体で想定外があるかも
- ―では是非その想定外を期待して(会場笑い)
良い意味で想定外の発見を期待したいですね。
「ファンファーレはやぶさ」上映
パネルディスカッションテーマ「はやぶさ物語と日本人の心」
座長:田部一志さん(日本スペースガード協会理事)
小笠原雅弘さん(NEC航空宇宙システム)
春日了さん(プラネターリアム銀河座、證願寺住職)
永山悦子さん(毎日新聞 科学環境部 記者)
(以下敬称略)
- 田部:パネルディスカッション どうしてもやりたかった
- 科学にどうしても重きが置かれるが日本人に「はやぶさ」がうけた、物語に感動したのでは 日本のクラシックに そのあたりをお三方に
- 小笠原雅弘さん NEC航空宇宙システムの技術者としてはやぶさに携わり 個人的には大学の頃からの先輩としてご指導いただいた間柄
- 永山悦子さん 知る人ぞ知るフリーク オーストラリアまではやぶさを迎えに 理系白書
- 春日了さん 葛飾区の4000年の歴史…失礼400年の歴史のあるお寺の住職さん(会場笑い) 科学やオペラなど幅広く関心を
- 小笠原:はやぶさの匠 糸川英夫さん、最初に作った飛行機「隼」2000年代は新幹線「はやぶさ」を作る匠 日本人にとって隼とは速い・俊敏という目指すべき目標としていたのでは
- はやぶさを作る三種の神器 ホワイトボード アイデアを形にする
- 2番目は町工場 汚い絵を送ると「来週持って行くから」必ず軽トラで持ってきます(会場笑い)
- 3番目 無重力 飛行機、無重力実験装置 必ず何度も失敗する
- 操る匠 白川 彼は宇宙研ロビーの実物大模型の所をうろうろしている
- シミュレーションではなく実物大モデル 「あの重さが必要だった」と。使えるものがある→太陽光
- はやぶさが姿勢制御を失ってから4年間、この百万分の1の力を絶やさないように火を燃やし地球に帰した 匠の心だったのではないか
- 田部:小笠原さんは学生時代から全然変わらないこの話し方で説得させられてきました
確かに静かに迫り来るような喋り方をされていました。渡部陽一さんをスムーズに再生したような感じ?
- 永山:会場1000人くらい? キャンセル待ちも多かったそうですね
- 田部:1100人のキャパで受け付けたのが800人くらいだが見る限りもっといそうですね
- 永山:2人の女の子が我慢して聞いていた講演会からこんなことになるなんて
- こういうブームは「メディアが作ったんでしょ」とよく言われるが「はやぶさ」は全然違う
- 正直、帰還翌日まで大手メディアはやぶさの影響力をきちんと認識出来ていなかった
- どのくらいかというと私はウーメラまで行ったがメディアはわずか5社
- 証拠写真もあります(会場爆笑)
- 真ん中と右はJAXAの方、左から朝日新聞記者、読売新聞カメラマン・記者、共同通信記者、そして私
- これとプラスしてNHKの記者とカメラマン。日本のメディア7人しかウーメラに行ってなかった
- 何故私が「はやぶさ」にこだわったか 2005年タッチダウンの時にJAXAを担当、ハラハラドキドキ
- 今どうなっているのかリアルタイムで知ることのできるミッションの虜に
- こういう記事を書いた『科学のワクワク 教わった』
- 「随分楽しそうな仕事してるね」と同僚に言われた
- これ以来ウォッチ 1年半後のコラム 不調でニュースも発信されず今こそ書かねばと その中で「3年後オーストラリアの砂漠に迎えに行きたい」と
- ここまで書いておけば必ずに出張させて貰えるに違いないと(会場笑い)
- 社内の雰囲気では「無人の機械でしょ」「天気悪かったら見られないでしょ」「川口先生いないところに取材しに行ってどうするの」と
- なんとか凄さを伝えようと思って書いたのがこの企画
- はやぶさのミッションで人生を考えた 世界にインパクトを与えたとか
- 英語も全然分からないのにJPLの所長に英語で「はやぶさについてどう思いますか」とメールして返事をもらった
- 「はやぶさは凄い、日本人は誇るべきだ」と。多分本人からだと信じてます(会場笑い)
- 白川さんたち技術者の凄さ、人材育成の舞台などうったえ ようやくオーストラリア取材を勝ち取った
- そしてこういう記事を書きました
- 5年間、この一言が書きたかった「おかえりはやぶさ」
- メディアとしてはこんな事になるとは思ってなかった
- 毎日新聞サイト 写真特集に1週間で1000万アクセス 普段どんな大ニュースでも3か月で数万アクセス
- 毎日紙上で私がこだわって連載を組んできたが他のメディアではそれから慌てて準備をしたところも多かったのだろう
- それから一気にコンテンツが増えた
- 科学を超えたのではないか 物語性があった
- はやぶさとなるほドリのキャラクター対談形式の記事 大変な評判 こんな記事を載せてくれるなら毎日新聞を取りたいという投書も
- 日本を誇るきっかけになったのでは
- 3月11日 信じられない事態が次々と 原発事故 「科学が逆に信じられない」 科学の限界を突きつけられている
- 科学の位置づけ 付き合い方の新しい展開
- 田部:科学とどうつき合うか 重いテーマ 普通の人には訳が分からなくてとらえどころの無いものかも
- 昔は宗教が科学の代わりだったのかも? 春日さん
- 春日:お坊さんには見えませんが、あまりお坊さんではありません。土日はコスプレで坊主のふりをしてさっきは法事を2つしてここに来ました(会場笑い)
- 科学を嫌いなのはお坊さんだと思いますが私は科学が好きなお坊さん 科学が嫌いなお坊さんは自動車使うのやめろよと ホントは仏教は科学的なんですが
- 私は勉強してますので インドで お寺が嫌になってからはドイツで声楽を勉強
- お寺はさきほど田部さんがおっしゃったように4千年も昔から(会場笑い)
- でもお寺にロケットが付いている X-33ベンチャースター NASAにお金払って図をもらってつくったもの(会場笑い)
- プラネタリウムもあります 「銀河座」どうせあまり来ないからとレザーの椅子
- 日本の心 満身創痍で帰ってきたのが受けたと思う 力道山が最後の30秒で勝つというのが受けていた
- アメリカンドリームのように「俺がやるぞ」みたいなのではなく「ダメかも」でやってみせるのが受けるのかも
- 「はやぶさ」は未曾有 仏教用語で素晴らしいことに使う言葉 鎌倉時代あたりから悪いことにも使うようになり今では悪いことにしか使わない
- 日本は仏教的? この世は辛いから悟りを目指そう、ストレスフリー 0だと精神病になる ちょっとストレスがあるのがいい
- 擬人化 仏典に見受けられる 全てのものに悟る性質
- 擬人化は没入感
- 輪廻 苦しみの連鎖=samsara サムサーラという化粧品がありますがあれはどういうことでしょう? メイクアップとメイクダウンの苦しみの連鎖?(会場爆笑)
- 日本の仏教と東南アジアの仏教 カレーうどんとインドカレーくらい違う 日本教になっているのでは
- オリジナルから違う方に発展したものをよしとする 日本独特の味
- 中身は余り変わってないのでは
- 満身創痍で頑張ったという没入感
- アポロ以外にこんなに盛り上がったのは知らない 文化として残るかも知れない
- 田部:ディスカッションをしたいがもう結論は出てしまっているようだし核心部分に触れられないまま通り過ぎたようにも
- 100年、1000年後まで日本のクラシックとして残るか 例えば勧進帳 忠臣蔵 忠犬ハチ公
- 1年前 サッカーで盛り上がっていた 一部の熱心な方が相模原に押しかけていた マスコミは不意を打たれた、その通り
- HBTTE 当時10館くらい その後ものすごい勢いで増えた 一般の映画館でも 新たに3本企画 永久に残るものになるのでは
- というのを導きたかったのだが余りそういうのを話していただけなかった(会場笑い)
- 小笠原さんに技術者の立場としてご意見を賜れれば
- 小笠原:何を答えればいいのか(会場笑い)
- では田部に30年前の時のように話させていただきます
- はやぶさは私たちからすると金字塔ではない スタート 越えるものは必ずやってくる
- はやぶさで終わらせてはいけない 太陽系を探査するスタートに立っただけ
- はやぶさが永遠に残るのではなく、これをスタートにずっと続く大航海時代の幕開けだというのが歴史的意義(会場拍手)
- 田部:永山さん 少し違う立場から社会派? としてのご意見を
- 永山:違う話になるかも知れないが結論部分から言うと、小河原さんと同じく今はやぶさで終わらせると歴史に残るか非常に微妙な状態
- 今、日本ははやぶさどころじゃない 毎日のニュース はやぶさは凄かったけど 今の日本どうなる そっちの方が重要な問題になっている
- 社内ではやぶさのサイトを見る時こっそり見ている そんな雰囲気がある
- 大きな歴史の1歩ではある 次に繋いでいくには別の側面からのはやぶさのような日本を誇れる共有できるもの それを繋いでいく
- これでいいや これを思い出にしようではなく次のものも関心を払っていく みんなで一体になった心を繋いでいけるのでは(会場拍手)
- 田部:春日さん 死の部分をぼかされたような気がしますが直接的に はやぶさは火の玉になって消えたがカプセルを送り届けた
- そのあたり日本人は宗教的に好き? 万国共通?
- 春日:仏教では死んだら終わり 死んだ人へのお経はない キリスト教・イスラムはあるが ストレスを少なく生きていこうという
- 千の風のようにと同じく、お墓の中にあるのではない はやぶさの一周忌ですか?(会場笑い)
- いかに生きるかというのが仏教
- 宗教観はブレ いちいち話すと喧嘩になる 田部さんは永遠に残ると思っているようだが 文章となればあるいは 文学作品としてでないと難しいのでは
- 時期が来ても時代の淘汰に残るのは文字ではないか(会場拍手)
- 田部:歴史の一コマに埋もれてしまうのか 何百年と受け継がれるのか 歴史の転換点 始まるところを目撃したのだろうと思いたい
小笠原さんの話し方、若干ささやくような感じで渡部陽一さんをスムーズに再生したような感じでした。春日さんはかなりぶっ飛んだお坊さんで衝撃的でしたw 永山さんはだいぶ以前から熱心に記事を書いているなと思っていましたが、やはりかなり入れ込んでおられたようです。面白い記事をたくさん読ませて頂いたものです。
(休憩)
(ビーコン音を合図に休憩終わり)
吉田珠美 三輪田学園校長より挨拶
- スペースガード教会とは発足当時からのご縁 発見した小惑星に三輪田学園の名を付けていただいたことも
- 創立125年の女子校 自立した女性をという育成しようという理念だがはやぶさと同じように自律(自立)と言うことで注目
- 私も卒業生だが生徒だった頃から天文クラブがあり今回も天文好きの生徒が多数来ている
- この学校で講演会が出来たということ自体が歴史に残る一大イベントだと考えている
あ、ここ女子校だったんですかw 全然知りませんでした。どうりで見かける学生は女子生徒ばかり…
講演「『Hayabusa -Back To The Earth-』の制作」
上坂浩光さん(「Hayabusa -Back To The Earth-」監督)
- このあと「HAYABUSA -Back To The Earth-」(以下HBTTE)を上映するがこれは2009年公開 その後オーストラリアで出迎えた感動をもとに帰還バージョンができた
- 言いたいのはこの作品は後出しジャンケンじゃないということ(会場笑い)
- 本当に帰ってくるんだろうかという状況で帰ってきてほしいという願いを込めて作った
- 僕が素人だった 一般人が受けた感動を表現出来たのが良かったのではないかと
- 角川配給で劇場版を公開できた 84000人動員 皆様のおかげだと思っています(会場拍手)
- 今後も3本 本当に素晴らしい
- ここで発表がある 本当は明日発表だがここで話してもいいという許可をもらった
- USTボリューム下げて貰えますか(会場笑い)
(中継は実際にここで音声中断)
- 7/2〜8/26まで結構長い期間アンコール上映が決定 有楽町など
- Twitterなどでつぶやかないでください(会場笑い)
- (音声復帰)
- ウーメラで実際に永山さんたちと一緒に見たリエントリの動画を
(動画流れる HBTTE帰還編のラストと同じアングル)
- 落下予想地域北端で見た映像
(映像流れる・拍手)
- 自分の声裏返って 何であんな高い声が出るんだろう(会場笑い)
- 永山さんの声も入っている
- はやぶさには途中で関わった
- モニタの向こうの架空のはやぶさと向き合ってきた 目の前に実態を持って現れる こんな感動はない
- 40秒もたたず消えてしまう 感情を越えた出来事
- 泣いてしまうのではないかと思ったが涙は出ず うわーと言ってるだけ なんて冷たい男だろうと
- カプセルと対面した時 筑波で 列に並んで 不思議に涙が止まらなくなった 誰もいなかったらその場で泣き崩れていた
- 何10億キロも旅してきたカプセル ただただ感動
- ある科学館で見たメッセージ 私も出来ることなら受け止めてやりたい
- この帰還バージョンで入れたかった 日本中の喜び 感覚 帰還バージョンに込めた
- あまり難しく考えず 感動をはやぶさが残した光としてともし続けたい
- HBTTE最後に出てくるメッセージ 「係わったすべての人たちにささげます」
- 講演で会った人達 小学生の女の子 いつも部屋の片隅で泣いている
- 帰還前に亡くしたおばあちゃんを思いながら「宙よ」を歌ったムービーを送ってくれた男の子
- 心臓病でくじけそうだけどはやぶさと重ねて自分を奮い起こした人
- 科学的成果以外にも沢山の力をもらった
- 今は「係わった人」=純粋な関係者という意味ではなくなってきた
- はやぶさを応援した全ての人にささげたい(会場拍手)
(HBTTE帰還バージョン上映)
やはり音響がなかなか良かったです。再生メニューが出ていたので多分BDバージョン。
上映終了、大きな拍手 やっと鳴り止んで壇上がライトアップされるとそこには既に川口先生が! 大きな歓声、ふたたび大拍手
講演「『はやぶさ』が挑んだ人類初の往復の宇宙飛行、 その7年間の歩み」
川口淳一郎先生(JAXA宇宙科学研究所教授 はやぶさプロジェクトマネージャー)
- 最近はビジネスな話が多いが今日は原点に戻って科学技術ということについて話します。
- 神頼みの話は出ませんので(会場笑い)
- 大震災 小惑星を探査する目的 地球の内部を理解すること 震災に活かせなかった
- 原発もそうだが自然を相手にして制御できない 悲しいこと
- カプセル 大船渡市三陸町で生まれたといってもいい 放出 姿勢 パラシュートを開く試験
- 町は壊滅 私たちの知人に犠牲になった方がいなかったのは幸いだった
- 太陽系ができあがった時 原始太陽系円盤
- 子供の惑星 微惑星
- 火星・地球などと共通の材料
- 地震や気象の手がかり 磁場 地球の内部の運動に関係がある
- 層になって分化 地震が起きるメカニズム 地表には軽いもの 内部は重いもの
- 中身の材料 小惑星の上にある 溶岩は軽いもの
- セレス・ベスタ セレスは丸いがベスタはもう丸くない 重力が小さい 化石天体
- 隕石は出身地が分からない はやぶさが持ち帰ったのは出身地が分かる資料
- 熱に晒されることもなくコンタミもない 地球内部の理解に繋がる
- 地球は石だけではできていない 大気 水 有機物
- S型小惑星だけではなくC型小惑星 アミノ酸をもたらす元 CO2も
- イトカワは人類が初めて実証したラブル・パイル天体 大きな母天体がバラバラになり再集積したという説
- サンプルはサンプルキャッチャー A室・B室 間に筒 回転するので潜望鏡と呼んでいる
- 斜めの板 サンプルが上昇してくるとここで反射してA・Bに分別できる
- 微粒子 10ミクロン・20ミクロン 杉花粉や黄砂のような大きさ 全く何も入ってないように見えて真っ青
- 顕微鏡 ヘラでかき取って電子顕微鏡で見た写真 微粒子 3000個 半分が岩石室 イトカワ起源と確認
- 人工物はアルミ 採取容器の内側がサンプルと分別しやすいようアルミでコーティングしてあるので付く
- 地球であるようなかんらん石・輝石で残念という人がいるが逆 小惑星にあるから地球にある 材料を手にした
- トントン 何故最初に叩かなかったのかとマスコミに聞かれたが、叩く気にもならなかったから(会場爆笑)
- ヘラにあったから強気になって叩いてみた(会場爆笑)
- 大きな微粒子 300ミクロンも これから分析
- スプリング8 電子シンクロトロン 大がかりな設備で分析できるのがサンプルリターン
- スペースガード 確率的に100年に1回 ツングースかなど有名 20mくらいでM6.7くらい 大津波にもなる
- 生命発生 深海のブラックスモーカー 土星の衛星エンケラドスでも氷の運動 中は熱い 熱水 ブラックスモーカーがあってもおかしくない
- スペースバイオロジー 火星よりも木星・土星に可能性
- 木星や土星を構成する材料 小惑星に生命の起源がある可能性が
- アミノ酸 核酸 自己増殖に繋がる説 アミノ酸はできるが自己増殖は実験結果にはない
- アミノ酸立体構造 2種類 右手・左手 L型D型 地球の生物はL型ばかり
- 宇宙から降ってくるのは両方 実験でも両方 地球では片方だけで作られている 外から持ち込まれたのか? 研究対象
- コンピューテッドトモグラフィー CT
- 3/10 ヒューストンで特別セッション 世界的関心 立ち見ができた 大きい拍手 私は行っていないので本当かどうか分からないが(会場笑い)
- 5月の幕張で行われた連合会議でも報告
- 100ミクロンの粒子 鉱物を含み大きな岩石にも引けを取らない 凛々しい
- 年代測定で45億年以上前のものと 地球でもっとも古い44億年前のものより古いもの 起源に迫る
- 今までは隕石を待っていたがこれからは積極的に取りに行く時代に
- イオンエンジンによる航行 提案当時は本当に世界初
- サンプル ひとかきだけ 1万個でも取れるが意図的に全てには手を付けていない 20年・30年後の新たな分析技術 それが可能なのがサンプルリターンの特徴
- 目的・手段全てオリジナル 誇りに思う
- 米ソは丸い 分化しきった天体 同じ事はするまいと
- 分化してない天体を目指したオリジナルの成果に着目 まだまだ無謀すぎた イオンエンジンもない 実現まで18年
- 片道のランデブ計画を立てた 手堅く行こうと 駆け出しだったが NASAと勉強会を実施していたがNASAにアイデアをとられた NASAけない(会場笑い)
- ひとたまりもない 悪気は無かったろうが 開き直ってNASAにも手を出せない計画に乗り出した
- しかしよく考えてみると 分別 リスク管理としては出来ているのはNASAの方ですね(会場笑い)
- はやぶさは無謀の無茶 しかしたまにはしないといけないというのが出発点
- ブレイクスルーでないとトップに躍り出ることはできない 原動力は天の邪鬼だったと思う(会場笑い)
- ターゲットマーカーに向かって降りる 達成精度 横の速度1cm/s 誤差10m内に制御 実証
- 1週間後にも同じ所に持って行けた まぐれではない
- ターゲットマーカーの特許は出していない 公開しないといけなくなるから(会場笑い)
- 航法用の画像も一切出していない 取られてしまうから
- はやぶさ後継機ディスカッションでNASAから「管制室に同席させてくれ」と言われる(会場笑い)
- 痛快ですね(笑)(会場爆笑)
- そのときになったら見せようと思う(会場爆笑)
- タッチダウン1回でいいのではないかと 微粒子は取れてるんじゃないかと プロジェクトメンバーの答えはNO
- ここまできて弾丸撃たずに帰れない 不具合はおきた リスクがあった
- リスクとって挑んだのは今にしてみれば まあ良かった(会場笑い)
- 後悔しなくて良かった
- 我々を一番苦しめたのは弾丸を打ってなかったと訂正を余儀なくされたこと はからずも虚偽の発表をしてしまったこと
- 科学技術はリスクばかりで結局役に立たないとどこかで聞いたようなことを言われた
- 当時は事業仕分けはなかったので 民主党を攻撃してるわけではないです(会場笑い)
- すぐやめろとは言われませんでした
- 周波数 回転 すべて不明 発見は奇跡的
- はやぶさに手伝ってもらった 条件付判断の指令
- バイパスダイオード 修理に行ったかのような作業ができた
- カメラなどの機器は節電でヒーターを切って氷付け
- はやぶさに最後に地球を見せてやろうと ラストショット 一枚だけおぼろげに地球が写っていた
- 再突入 明るくて人の影ができている 身を挺してカプセルを守り大気に還っていった
(ちょっと声が詰まる?)
- 着陸は非常に正確 予測から500m地点 ヘリが離陸して30分後には写真
- トラブルは想定してるのかと聞かれる もともとメンテができないことを想定 決して修理に行ったわけではない
- 残念ながら宇宙関係者が驚いたのは福島原発 アクセス可能を前提とした想定は宇宙からすると考えられない
- もっと安全なシステムができるかもしれない 再生可能エネルギー利用が本格化するだろう それはまだまだ時間がかかるかもしれない
- そうなると原子力をもっと安全に使う方法に繋がなければならない 我々もある程度お役に立てるかもしれない
- 期間の数日後 出勤途中コンビニで野菜ジュースを買った この話やめようかと思ったが期待にこたえて(会場笑い)
- 店員さんレジで私の顔をみて「砂入っているといいですね」(会場爆笑)
- ジュースに砂が入っていていいわけではないですが(会場爆笑)
- 電話番号 語呂合わせ 支給された携帯 今はこの番号には通じないのでかけないでください(会場笑い)
- 次は何をするかと聞かれる 答えているのはソーラー電力セイル IKAROSが世界初 イオンエンジンを組み合わせてトロヤ郡やM型小惑星へと
- レアメタルも集積しているはず もっと先かもしれないが新たな資源を求めて太陽系大航海時代が来るのではと はやぶさがそのトリガーに
- 伝えたい教訓 本当は今日は言うつもりはなかったが「技術よりも根性」(会場笑い)
- 運を実力に変えて定着させる 今終わったら運だけ 我々は二流 想定外が起きないような実力に高める 後継機で取り組みたい
- インスピレーションでイノベーションを 一点の曇りもない製品を作るだけでは将来はない
- レオナルト・ダ・ヴィンチ ベートーベン ビートルズのような世界中の人が知ってるような日本人 人材育成
- 「高い塔を立ててみなければ新たな水平線は見えてこない」 "若い人だけに"贈りたい(会場笑い)
- お年を召された方はどうぞお子さんに伝えてください(会場笑い)
- 震災後苦しい事態が続いている せめてもの努力を惑星探査を通じて重ねたい 震災にあわれた方々に送りたい言葉 日本人のポテンシャル 私たちはできると
(会場大きな拍手)
- ―毎日お忙しいと聞いていますがこの一年振り返っていかがでしたか
- あっという間 一番大きな節目11月 サンプルが見つかったこと 夢を越えた出来事
- 3月の大震災 科学技術は進歩してるんだと思っていたがそうではなかったのが残念で仕方なかった
- ―夢というキーワード 震災で日本は夢を見られなくなってるんじゃないかと言われている 夢というキーワードでメッセージを
- それは難しすぎます(会場笑い) 考えても難しいのですが…
(次のセットで使うのでと先生マイクを取られて会場爆笑)
- ―難しいテーマで振ってしまいすみません。新しい発見が我々一般人の夢にも繋がっていくと思いますのでこれからもお体にお気を付けて頑張ってください
(会場大拍手)
時事問題にも絡んでとても面白いお話でした。しかし登場の仕方は本当に驚きました。どよめきがハンパ無かったです。
エンディング シンガーソングライター 新居昭乃さん 「はやぶさ」
- ―新居さんがはやぶさを知ったのはいつですか
- この場で言うのは恐縮ですが、帰還の日です(会場笑い)
- 友達に聞いて何だろうとUstで見て感動して最後の写真で1週間くらいずっと泣いて どうにかして曲を作りたいと思って作りました
浮遊感がありドラマチックな曲でした。
閉会の辞
古宇田亮一さん(独立行政法人産業技術総合研究所)
出演者が壇上に集まる。三輪田学園の生徒さんから花束贈呈。
- 本日の講演会にあたられた方、全員ボランティアです。本当にありがとうございました。
- サンプルリターンを計画したのは80年代
- スペースガード創立初代理事長磯部先生 20年前にははやぶさのような探査機をたくさん飛ばして21世紀を迎えるつもりでおられたがはやぶさ帰還を待たずに亡くなられた
- 科学というのは時間がかかるものと事業仕分けの方々にもご理解いただきたい(会場笑い)
- 大惨事というものは人類の英知を結集して解決しないといけない はやぶさ帰還はそれを教えてくれた
- 皆様の熱い想いを託し後継機を 若い皆様にははやぶさのような夢のあるプロジェクトを考え出し参加していただきたい
- 今後人口割合の多くなっていくご高齢の皆様には笑顔で見守りつつご支援を(会場笑い)
- 私たち"中堅の"世代も引き続き頑張りたい(会場笑い)
中堅ワラタw