難病患者の笑顔のために−宇宙実験で創薬をめざす [JAXA]

「2003〜08年まで、ISSのロシアモジュールで何度か実験を行いましたが、回を重ねるごとにタンパク質に強く結合する、つまり、少量で効く薬ができるようになってきました。それをマウスに投与したら、筋ジストロフィーで萎縮した筋肉の部分が減ったんです。遺伝子は全く触っていませんよ。効果が出る理屈は実ははっきり分からないけれど、筋壊死の進行が軽減されました。さらに筋ジストロフィーのモデル犬で治療効果がありました。宇宙オープンラボでの研究はまだ始めて1年半ばかりですが、すでに宇宙実験の威力は明らかです。宇宙でできた結晶を解析するとき、X線を当てて見るんですが、その画像がすばらしい。中心からすごく遠いところまで結晶の構造がピチッと出てよく見えるんです。宇宙実験のデータがモニター画面に出たとき、みんなから『うおー!』って声が上がって、よその研究班の人が『どないしたんや』ってみんな見に来ましたよ」

これは素晴らしいですね。一日も早く臨床に入れるよう祈ります。