東北地方太平洋沖地震関連 2011.06.27

東電、電力使用率を情報操作 恣意的に数値を高く見せる [MyNewsJapan]

 Yahooや東電のホームページ、駅の電子掲示板などで表示されている「電力使用状況グラフ」の使用率数値が、水増しされていることが分かった。「ピーク時供給力」を、稼働可能な設備のフルの容量ではなく、そのつど東電が恣意的に決めた「供給目安」の数字とすることで分母を減らすのがその手口で、実際より15%も上乗せされている日もあった。この指摘に対して東電は「確かに『本日のピーク時供給力』というのは分かりにくいですね。それとは別に本当の『最大供給能力』というのがあるのは事実です」と認めたが、「今後7〜8月と需給がひっ迫してくればおのずと本当の上限値に近づきます」と、恣意的な目安に過ぎない数字をピークだと偽り続けている責任など、知らぬ顔だ。

酷く悪意のある解釈。

冷暖房が不要の5月の涼しい日でも80%を超える日があり不自然だった

んなわきゃない。ここで電力使用状況が載ってますけど、ちゃんと説明文が書いてありますよ。

ピーク時供給力とは、電力需要のピーク(最大電力)にあわせた供給力のことであり、火力、原子力等の固定的な供給力に加え、需給が逼迫した場合、素早く対応可能な揚水式発電(水力)が一定量含まれております。
なお、需要が供給力を上回る緊急時には、更に揚水式発電を一時的な供給力として追加できる場合がありますが、発電可能な時間に限りがあるため、追加分についてはピーク時供給力には含んでいません。

もちろん一部報道のように「余裕があと9%」とか書くのは不正確な解釈ですが、この記事は遙かに酷いです。プラントが常に100%で運転してるとでも思ってるのでしょうか。メンテナンスだってありますし、涼しい日に無駄に燃料ぶち込んでタービン回したって仕方ないですから気象条件とかから想定した需給予測に基づきある程度余裕を持たせた電力を供給していて、その使用率なんですよ。その辺の店が繁忙期・閑散期に合わせたシフト組むのと同じです。「80%を超える日があり不自然」って、火力の燃料確保だって大変なのに一体どんだけ無駄に発電しろと言うんでしょう。んで動かせるプラントを総動員したのが最大供給能力(+揚水発電によるバックアップ)。もちろん稼働率100%なんてものはブラックアウト寸前の状況ですし、そんなのを前提に考えるべきでないのが当然ですよね。
まあそれでも紛らわしいようなら最大供給能力も併記すればいいでしょうけど、そうすると「なんだ稼働率100%までまだまだ余裕あるじゃないか、もっと使っちゃえ!」とでも言い出しそうなノリです。

循環冷却、1時間半で注水停止…配管水漏れ [読売]

目標の浄化能力が達成出来たということで本格運転が開始されたものの…

 東京電力は27日午後4時20分、福島第一原子力発電所の原子炉から漏れ出した高濃度汚染水を浄化し、冷却水として再利用する「循環注水冷却」を開始した。

 しかし、注水用配管の継ぎ目に水漏れが見つかり、約1時間半後に原子炉への注水を停止した。28日早朝から原因調査と対策を進める。

 東電によると、建屋地下などにたまった汚染水を浄化する処理システムは、稼働を続けている。原子炉への注水は、従来のタンクからの配管に切り替えて継続しており、問題ないという。

 水漏れがあった配管はポリ塩化ビニール製で直径が約10センチ。原子炉への注水ポンプに真水を送る配管で、流量調整に向かった作業員が漏出を見つけた。東電は、漏れた水は処理済みのため、作業への影響はないとしている。

ただこれ、敷設されたホースがすさまじく長いらしいんですよね。その分繋ぎ目も膨大。

突貫なのはこの際仕方ないですし、しらみつぶしで塞ぎながら動かすしかないでしょうね。浄化前のが漏れるのはヤバイでしょうしそっちは流石に重点的に冗長化してるんだろうと思いますが。あとこれ、既に1〜4号機の汚染水全部を取り出して1〜3号機に注水してるんですね。てっきり水棺処置みたいに1号機だけとかを先行してやってるんだと思ってました。

水処理装置・循環注水冷却の概略資料(201KB) [東京電力]

敷地をぐるっと一周するような経路になっています。想像していたよりも遙かに大がかりなシステムでした。

循環注水設備 事前の点検せず [NHK]

循環注水を巡っては、浄化した汚染水を原子炉に戻すための配管が、総延長で4キロもあるため、配管の状態をどのようにチェックするか課題になっていました。このため東京電力は、注水を始める前に配管の水漏れを点検することにしていましたが、27日は、予定していた点検をせずに、原子炉への注水を行っていたことが分かりました。東京電力は「12日に行った点検で問題がなかったため点検しなかった」と理由を説明していますが、判断に誤りがなかったかなど詳しいいきさつを調べるとしています。

2週間前の点検で漏れていなかったのが今回漏れた。言い換えると、今回点検していたとしても今後またどこかで水漏れが起こるかも知れません。どこまで点検するかという話になりますが、いずれにしろこれは動かしながら進めるしか無い気がします。