JAXAの挑戦:ロケット開発で見える化 [ITpro]

 プロジェクトで新たに開発するロケットの部品は数万点以上。それら一つひとつの開発仕様書や設計書、仕様を満たしているかどうかを確認する適合性確認書をメーカーとともに作成することになる。その量は膨大で、文書の点数は、JAXAが管理する分だけで3万に上ると見込まれている。

 従来のプロジェクトでは、半年または1年ごとに、それまでに作成した仕様書や設計書をまとめてレビューしてきた。しかしこの方法では、問題点が見つかると広い範囲で手戻りが発生することが多いので、開発期間を長引かせる一因になっていた。そこでイプシロンプロジェクトでは、作成し終えた仕様書や設計書を順次レビューする方法を取ることにした。

 開発スピードを2倍にするために井元氏が重視したのが、プロジェクトの見える化である。従来は、各担当者の作業がどういう状況にあるのか、といったことが明確に分からず、開発期間が長期化しがちだった。

 そこでイプシロンプロジェクトでは、開発作業が本格化するのに先立って、開発プロセス管理システム「MIDLEE」を今年2月にも稼働させる。開発仕様書や設計書、適合性確認書など、プロジェクトで作成する文書は全て電子化し、MIDLEEで一元管理する。

プロジェクト全体の管理をしやすくしたり、プロジェクトメンバー内の情報共有を強化したりする狙いがあるようです。