平成23年宇宙開発委員会(第16回) 議事録 [宇宙開発委員会]

ソユーズや「はやぶさ2」、「あかり」などについて。

JAXA(吉川)】 はい。観測というよりは、むしろ小惑星近傍でのナビゲーション、運用の方についてはかなりいろいろと検討を進めていて、「はやぶさ」のときには1回目のタッチダウンで不時着してしまって、2回目のときにはうまくいったのですが、弾丸が出ませんでした。そういったトラブルがありましたので、そこら辺はナビゲーションの方で今、そういうトラブルがないようなやり方を検討しています。それから、「はやぶさ」の場合、大体どのくらいの精度でタッチダウンできるかというのがわかりました。今回、人工的なクレーターというのは、小さいと直径が2メートルぐらい、大きければ5メートルぐらいを想定していて、さらに着陸精度の要求がきつくなります。そこら辺の検討を今やっておりまして、例えばターゲットマーカーの数を増やして、小さなターゲットに向かっていくようなことを検討していこうと思います。

【井上委員】 そういう意味では、理学観測の装置を少し絞り込んだような印象をちょっと持つのですけれども、その辺は少し議論が出たのでしょうか。

JAXA(吉川)】 はい。絞り込んだというよりは、ちょっと種類を変えたと言った方が正しくて、理学観測としては普通のカメラと、それから赤外線、近赤外線の分光計、ただし、これは波長帯を3ミクロンという水の吸収が見える波長帯にシフトさせました。「はやぶさ」のときには蛍光X線分光計があって、これは、今回は搭載しないということにして、そのかわりに中間赤外カメラという温度をはかるカメラを搭載しました。今度、C型という小惑星なので、その熱慣性を特に調べたいということで、そこの観測テーマを少し変えています。