宇宙開発戦略本部 宇宙開発戦略専門調査会 第18回会合 議事次第 [宇宙開発戦略本部]

先日の報道にあった内容の資料がアップされています。なんかえらく準天頂押しなのは報道の通りですが。

なお、単純な測位信号や補強信号(精度2m程度)の提供に関しては、基本的に無償提供する方向で検討すべきであるが、高精度な補強信号(精度数cm 程度)については、有償化の是非について検討するべきである。また、民間事業者に対する秘匿・暗号化機能を提供する場合には有償化について検討すべきである。

だいち3(文部科学省JAXA)、分解能80cm、観測幅50km)は、単撮像機能についてはASNARO1 や海外衛星により提供可能である。広域観測等の機能については、災害対応に有効であるが、他の衛星や航空機により一定程度代替可能であり、立体視の機能については、標高データの取得など地図の作成等では有効であるものの、緊急性等との観点で他のプロジェクトより優先度が低いため、宇宙政策全体の中で他の優先度の高いプロジェクトを実施した上で宇宙予算上可能であれば実施することとすべきである。

地球環境監視の GCOM-C(JAXA)は、打上を遅らせることとし、宇宙政策全体の中で他の優先度の高いプロジェクトを実施した上で宇宙予算上可能であれば実施する。

こだま(JAXA)の後継機については、事業の必要性を検証し、実施する場合には、政府負担を軽減するべくPFI準天頂衛星シス
テムとの相乗り等の効率的な方策等を宇宙開発戦略本部において早期に検討すべきである。

JAXA 内ではISAS にプロジェクトを一元化し、理学・工学の双方の学術的視点からの評価の下で宇宙科学プロジェクトの優先順位付
けを行って、スケジュールの調整を行いながら、一定の予算規模で学術コミュニティーと一体となって継続的に実施すべきである。

国際宇宙ステーションは、「きぼう」やHTV/H-IIB の開発によって宇宙産業の技術力向上に寄与した面があり、その継続的運用・
打上げは、産業基盤と技術力の維持に貢献するが、産業基盤と技術力の維持は官需だけに頼るのではなく国内外の需要を取り込みつつ、できるかぎり効果的に実施していく必要がある。

国際宇宙ステーションは、日米欧加露の5極、世界15カ国協働で進めている有人宇宙活動に日本がアジア唯一の重要なパートナーとして参加し、国際的プレゼンスの発揮に寄与し、また日本人宇宙飛行士の活躍による教育・啓発効果を産んでいる。「きぼう」の利用については我が国の産業競争力強化に繋がる成果は現時点では明らかではないが、他方、生命科学や観測等の分野では成果が得られつつある。今後、有人の特徴を活かすなど更に研究内容を充実させて具体的な成果を出す工夫が不可欠である。本プロジェクトに年間400億円の予算を要している現状を踏まえ、2016年以降の国際宇宙ステーションへの参加、運用継続に当たっては、国際パートナーとのプロジェクト全体の経費節減努力を進めるとともに、運用の効率化やアジア諸国との相互の利益にかなう「きぼう」利用の推進等の方策により経費圧縮を図るべきである

宇宙科学を主たる目的としない新たな宇宙探査活動(有人、無人を問わない)については、安全保障・外交、産業基盤の維持、産業競争力の強化、科学技術等の様々な側面から判断されるべきであり、長期的な展望に基づく計画的な推進が必要であり、宇宙開発戦略本部の下で全体の在り方を検討するべきである。

目に付いた点としてはこんな感じでした。言うほど真新しくはなかった(前から見てるせいかもですが)。

だいち3について、「可能な限り早期の打ち上げを目指して必要な措置(予算含む)を取るべきである。」との意見が1人の委員から出された。

宇宙科学に関し、本提案では「JAXA 内ではISAS にプロジェクトを一元化し、理学・工学の双方の学術的視点からの評価の下で宇宙科学プロジェクトの優先順位付けを行って、スケジュールの見直しを行いながら、一定の予算規模で学術コミュニティーと一体となって継続的に実施すべきである。」と傍線部分が追加されている。「スケジュールの見直しを行いながら」とは「予算実行を遅らせて」と同義語であり、即ち実質的に「予算削減」を意味すると理解せざるを得ない。

また委員提出資料なども上がっていますが、このような反論もありました。