GXロケットの屍から「希望の芽」 IHIの新LNGエンジンは新たな需要を創出できるか [日経BP]

なんと現在IHIが独自にLNGエンジンの開発を進めているらしい。

 IHIが、メタンを主成分とするLNG燃料を使う新型ロケットエンジンの自社開発を始めた。推力は100キロニュートン(kN、1kN=約0.1tf)級でH-IIAロケット第2段LE-5Bエンジン(推力137.2kN=約14tf)とほぼ同クラスだ。

 新エンジンの燃焼室圧力は50MPa(約50気圧)以上で、LE-8よりもはるかに高く設定してある。そのため、燃焼室はぐっと小さくなっている。

 エンジン形式は、最も基本的な液体エンジンの形式である「ガスジェネレーターサイクル」を採用した。ガス発生器という小さな燃焼室で推進剤の一部を燃焼させ、そのガスでターボポンプを駆動するものだ。

 エンジン燃焼室は壁面内の流路に燃料のLNGを流して冷却している。この過程でLNGは気化してガスになる。ガスのLNGと液体酸素を混合するため、衝突型ではなく「同軸型」という形式の噴射器を使う。同軸型は計算による設計手法が確立しており、試行錯誤に依存せず設計することができる。

 同エンジンは現在、LE-5B用のターボポンプを流用して基礎的な試験を行っている。ほぼ実機通りに配管をつないではいるが、各機器の配置は試験の容易さを優先しているので、最終的な完成品とは少し異なっている。この状態で基礎的なデータを取得し、設計を確定させた後、専用のターボポンプの開発に入る予定だ。

 目指す性能は真空中比推力が350秒程度、エンジン重量は300キログラム以下。できれば250キログラム程度を目指したいという。

遠景ですが燃焼試験の動画もあり。松浦さん一体いつの間にこんな取材を!
GX用に開発したLE-8から設計を一新し手堅く見直しており、現時点では新設計の燃焼室にLE-5Bのターボポンプを組み合わせて試験を行っているところだそうです。これは期待したい。