大西宇宙飛行士のNEEMO日記（第10回）「10月20日：海底1日目」 [ISS/JAXA]

お、いよいよ始まりましたね。

大変お待たせいたしました。今度こそ本当に、”海底からこんにちは！”

私は今、キーラーゴの沖合の海底約20mに設置されている海中研究施設アクエリアスにいます。今日からいよいよ13日間の滞在のスタートです。

昨日と打って変わって晴れ渡った空。風も波も穏やかです。昨日までの悪天候がまるで嘘のようです。

■大西宇宙飛行士のNEEMO日記（第11回）「10月21日：海底2日目」 [ISS/JAXA]

見ると寝室、というか睡眠スペースの端についている窓の外を横切って行く魚達の鱗が、アクエリアスの外部照明に照らされてキラキラと光り輝いています。綺麗だなあ、と思わず見とれてしまいました。

そんな平和なひと時も、朝6時の起床時刻とともに終わりを告げ、それから夜の9時過ぎまでノンストップの忙しさ！！

噂に聞く、スペースシャトルミッションの忙しさとはこんな感じでしょうか。とにかくスケジュールに追われ、その合間にご飯をかきこみます。

気づいたら、もう寝る時間が迫っています。

■大西宇宙飛行士のNEEMO日記（第12回）「10月22日：海底3日目」 [ISS/JAXA]

アクエリアスの中は気圧が高くなっていると以前書きました。だいたい地上の2.5倍（約2.5気圧）です。今日はその影響について書きたいと思います。

まず声！みんなの声がいつもと少し違います。キーが高いっていうんでしょうか。最初に気付いたのは、宇宙飛行士候補者2009年クラスの同期で付き合いも長いデイビッド。なんか舌足らずなしゃべりかたになっているので、口内炎でもできたのかなと思っていたら、シャノンもそうなっています。あれ、実はひょっとして自分も？？と思って聞いてみたら、その通り！自覚がなかったのでビックリ。うまく表現できませんが、テープを早送りする時みたいなちょっと高目の声になるようです。

■大西宇宙飛行士のNEEMO日記（第13回）「10月23日：海底4日目」 [ISS/JAXA]

今日の船外活動では、いよいよ私たちクルー待望のアイテムが登場しました！その名もSUPER SAFER（スーパーセイファー）。水中用スクリューです。右上の写真で背中のタンクのさらに後ろについている物がそれです。手元のスイッチでスクリューを回したり止めたりできます。スクリューが推進力を作り出すので、これまでのようにケーブルなどの移動手段に頼らず、自由自在に動き回れるのが最大の売り。

いよいよそのSUPER SAFERの評価試験です。試しにスイッチを押してみると、おおーっ、進む進む！スピードはそんなに出ませんが、すっかり魚になった気分。スイッチを放すと、水の抵抗ですぐに止まります。これが現実の小惑星では、慣性の法則があるので勝手には止まりません。

なにこれ凄い面白そう！　あとアップされている写真も綺麗です。