観測ロケットS-310-40号機 打上げ終了 [ISAS/JAXA]

プレスリリースと写真が出ました。

宇宙航空研究開発機構JAXA)は、夜間中緯度電離圏領域における電波伝搬解析を目的とした観測ロケットS-310-40号機を2011年12月19日23時48分00秒(日本標準時)に、内之浦宇宙空間観測所から上下角76度で打ち上げました。

ロケットの飛翔および搭載された機器の動作は全て正常で、計画どおり発射後60秒に開頭が行われ、観測を開始しました。ロケットは、発射61.5秒後にNEIプローブ伸展、62秒後にFBPセンサ伸展、62.5秒後にFLPプローブ伸展、210秒後に最高高度180kmに達し、全ての観測を終え、内之浦南東海上に落下しました。

中波・長波電波受信機、磁力計、インピーダンスプローブ、高速ラングミューアプローブ、固定バイアスプローブ、地平線センサー等の搭載観測装置は、上昇時下降時を通じて観測を行いました。発射から約80秒後に高度103 km付近において電子密度の高い領域を観測し、ロケットが予想していた高密度プラズマ領域を通過したことを確認しました。

現在、詳細なデータ解析を実施しています。

うむ、シーケンスは完璧に実行されたようです。

No.1537 :観測ロケットS-310-40号機実験結果報告 [宇宙作家クラブ ニュース掲示板]

南日本新聞・実験は成功したということか。
阿部・我々が規定していた比較的高い電子密度の領域を無事にロケットが通過したのでほっとしている。(高密度プラズマ領域が)高度103キロ付近というのは意外であった。D領域に発生した高密度プラズマ層が周波数伝搬の異常を引き起こすと推測していたが、高度103キロのE領域だった。昼間はD領域のプラズマが電波の伝搬を妨害しているが、夜間はメカニズムが異なるのだろう。予想した高度よりも高い高度に、高い密度の層があり驚いた。
 E領域は本来電波を反射するものだが、散乱あるいは吸収する方向に働いたのが予想外で、面白い研究ができる。

読売新聞・これまでのものは仮説であったが、今後の解析は。
阿部・これまでのものが間違った固定観念だったかもしれない。昼間の延長線上で考えていた。減衰の原因の可能性はいろいろあるが今回はD層ではなくE層であった。
 ロケット搭載のインピーダンスプローブなどはロケット位置での電子密度を非常に正確に測れる。高密度プラズマ層の厚さも詳しく判る。また、電波を使った解析でより広い空間の密度構造も判る。4方向の電波を受信しているので、方向による密度分布の違いを知る事ができる。またロケット位置以外の電子密度も知る事ができるため、水平方向の広がりも今後の解析で判る。

何やら仮設を覆す面白いデータが取れたようです。成功おめでとうございます!