新Xバンド衛星 安全保障と効率の両立を図れ(3月21日付・読売社説) [読売]

 防衛省が、独自の通信衛星2基を初めて保有する事業を開始する。

 現在は、CS放送会社のXバンド通信衛星3基に自衛隊用の通信中継器を搭載してもらっている。このうち2基が寿命を迎えるのに合わせて、2015、16年度に衛星2基を打ち上げる。12〜30年度の総予算は1224億円だ。

 自衛隊の部隊運用にとって、高度な通信ネットワーク体制の維持は死活的な重要性を持つ。

 だが、有事における自衛隊の基幹通信は民間企業の衛星を「間借り」しているのが現状だ。陸海空3自衛隊の統合任務が増えているのに、3自衛隊間の相互通信が困難なことも深刻な問題である。

 独自の衛星を持てば、3自衛隊間の通信はスムーズになる。任務の内容に応じて、陸海空自の通信量の割り当ても変更できる。自衛隊に最適の位置に衛星を据え、より高品質で高速大容量の通信回線も確保できよう。

 Xバンド衛星の打ち上げでは、民間の資金やノウハウを活用するPFI方式を初めて採用する。

 防衛予算が10年連続で減少する中、衛星2基と地上施設の整備と15年間の運用事業を一括で募集、契約することで経費節減を図る。従来とは逆に、防衛省の衛星に民間の通信中継器を搭載する。

 防衛装備品の調達は効率化が求められている。衛星事業が成功すれば、他の分野にもPFI方式を応用してはどうか。

うむ、ついでに絶賛どんぶり勘定中のIGSも引き取って頂ければ有り難いんですが、まあ防衛省防衛省で切り詰めてやってるんでしょう。自前で用意するのは良い傾向かと思いますのでちゃんと相応の予算措置をして欲しいものですね。