イプシロンロケット模擬射点音響環境計測試験の実施結果について(第3シリーズ) [ISAS/JAXA]

打ち上げ時の音は、周辺の生活環境だけでなく、衛星等ロケットに搭載された機器類の機能にも影響を与える決定的な存在です。特に秒速2000mを超える高温高速のロケットプルームは、通常の流体機械の騒音問題とはかけ離れたレベルの高音圧の源となります。具体的には、ロケットの噴射ノズルから排出されるプルームは、それ自身が音源となるとともに、排気流と射場(例えば、火炎偏向板や煙道)と干渉して新たな音源を形成します。こうして発生した音は、射場の構造物による反射や空気伝播を経て上昇中の機体に到達し、フェアリング内部に搭載された衛星などを振動させます。

今回を含む3回の試験シリーズにより、音響環境が緩やかになる発射台形状が見出され、目的を満足する良好なデータを取得することができました。

リフトオフ時に発生する大音響は地面に反射してペイロードに影響を及ぼしますが、イプシロンではそこが改善。どうやら順調のようです。