H2A 技術1000社結集 性能支える部品100万点 海外衛星 打ち上げ成功、次はコスト削減課題に [日経]

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 衛星を切り離す際の速度はマッハに達し、気流などの圧力は300トン近く、表面温度は500度に達する。そんな過酷な状況で、宇宙空間まで内部の衛星を保護する。蜂の巣のようなハニカム構造材に0.4ミリのアルミ板を接着し強度と軽さを両立。宇宙空間で2枚の貝が合わさったような形のフェアリングを爆薬で左右に分割し、内部の衛星を放出する仕組みだ。

 同社は1本のブースターを分割して組み立てていたが、ケースを炭素繊維複合材(CFRP)に変えて一体成型するよう改良。エンジンが噴射するノズル部分も小型化するなど全体で価格半減を達成した。

 現在は固体燃料やCFRPの素材をさらに改良できないか研究中。低価格でも性能を満たせる素材に変えて、さらに3割コストを下げる方針だ。

 IHIエアロスペースはこうした研究成果を、現在開発中の固体燃料ロケット「イプシロン」へ転用する考え。石井潔社長は「M5以来の待望の固体ロケット。確実な成功を目指し開発を進めたい」と意気込む。

 ロケットに搭載するためには振動や温度変化などでも壊れないことが重要。信頼性を優先し旧型を使い続けているが、専用部品だけに価格は割高だった。今後はCPUの性能を上げて、ロケットの不具合を自己診断できるように改良することを検討中という。

SRB-Aやアビオニクスまわりでイプシロンからフィードバックすることを具体的に検討中のようですね。