日本の宇宙産業〜日本の企業紹介 第9回 アプリケーションを含めたシステムを世界に提供していきます [JAXA]

さて今回は明星電気。明星と言えば日本の宇宙開発黎明期から現在に至るまで観測センサなどで深く関わりを持つ企業。もちろんあの「はやぶさ」にも搭載されています。

 宇宙用には枯れた技術が使われるとよく言われますが、それは仕様数値の高さよりも信頼性の高さが要求される基本部分の話です。当社の宇宙機器でいえば処理回路は枯れた技術を使っています。ただし、センサ部やその周辺回路については、世界初の観測をするために、最先端技術を宇宙での使用環境に耐えられるか、常に評価しながら使っています。
 最近はコストダウンのため、できるだけ民生品を使おうということになっています。しかしながら、宇宙は気圧、温度変化、放射線、打ち上げ時の振動などの厳しい条件がありますし、部品の取り替えができないので高い信頼性が要求されます。例えば、かぐやには民生用ハイビジョンカメラを搭載しましたが、回路やチップを宇宙用に強化しました。
 新しい技術を評価しながら使ってきたために、当社には技術を宇宙用に評価し、強化するノウハウの蓄積があります。民生品を宇宙用に使う際にも、こうした強みを生かしていきます。

基礎部分をガッチリしつつ、最先端技術のセンサで攻めるわけですね。常に世界初の科学的成果を追い求める上で妥協の出来ない部分であります。「かぐや」のHDTVもおかげで最後まで全く劣化が見られませんでしたね。あれは目に見えて分かりやすいだけに驚異的でした。

 2010年に「伊勢崎サイエンス講座」という教育イベントを、地元の伊勢崎市教育委員会、ぐんま天文台と共同で開催しました。当社は小型実証衛星4型「SDS-4」の熱モデルを展示したのですが、小中学生がすごく興味をもってくれました。そのときに「2年ほどしたら伊勢崎の超小型衛星が宇宙に行きますよ」と言ってしまいました。WE WISHが審査に通って本当に良かった(笑)。

えっ何それ退路を断つ的な? ともかく無事飛ぶことになってめでたい。
あと現場ルポの写真も面白いです。なんかさりげなくMMOの観測センサも載っていますよw