HTV「こうのとり」3号機ミッション完了後記者会見 起こし

今回もNVSさんの中継から起こさせて頂きました。敬称略。

小鑓PM:振り返ってみると7月21日打ち上げ。雷で打ち上げ間際までハラハラしていた記憶がある。27日にキャプチャーしたが、記者説明会で説明したとおり姿勢制御系の従系が故障していてハラハラしながらキャプチャーされた。新たに使った曝露パレットで無事に曝露の荷物を運ぶ事ができ、また与圧の荷物も運ぶ事ができた。
離脱の準備をしていたところ星出飛行士の船外活動が1回追加され約1週間延びた。昨夜離脱した時、設計の範囲内だがアボート(通常の離脱ではない方法)で離脱し朝まで本来の軌道に復帰する作業をしていた。ハラハラしていたが設計範囲内ということで淡々と。最後の3回のマヌーバも予定通り。アボートから立て直して予定から3分の遅れで所定の場所にリエントリした。内山の方から資料の説明を。


内山FD:3号機のリードフライトディレクターを務めた内山です。小鑓の方からほぼ全体にわたる説明があったがスライドを用意したので結合後から今日に至るまでの概要の説明を。7月21日に打ち上げ、FD(飛行7日目)7にISS到着。ISS結合後飛行士が入室する前に開いた記者会見、そこから先の内容を。
8日目に与圧モジュールに入室。今回「きぼう」の故障したポンプを緊急打ち上げ。8月3日に交換作業を実施。8月6日に暴露パレットを取り出しペイロードの移設。与圧物資の移送も日々続けられた。8月30日に星出飛行士の船外活動が実施されたが完了しなかったため9月3日の2回目の作業で成功。これにより離脱が6日遅れたが早急にNASAと調整し9月13日0時50分に離脱を実施。本日午前中から3回にわたる軌道離脱マヌーバを実施し約2時間前に3度目の軌道離脱マヌーバを実施し再突入。
(写真の説明)


小鑓:たぶん一番気にされているであろうi-Ballについて言い忘れていた。受信が確立し現在送ってきている事を確認している。この後処理し出来たら23時頃にお出しする事になると思う。あと写真、今回HTVに日の丸を2箇所載せている。暴露パレットとお尻の所。JAPANとも書いてある。

質疑

―朝日:再突入の時間だが、資料によって27分頃や26分頃とあるがどちらに統一すればいいか。i-Ballからの信号を受信したということで、今の段階で言えるのは予定通り放出に成功したということか。
小鑓:27分でお願いします。非常にチャレンジングな実験だったが、ちゃんとパラシュートを開き着水し浮いてイリジウムとの通信を始めている。写真も送ってきていると聞いているがまだ見ていない。私も見たいのだが。


―海域は南太平洋という表現か
小鑓:南太平洋で。


i-Ballを放出した高度だが、過去の記事では各社70kmや80kmなどとある。推定では何十kmとみているか
小鑓:なかなか難しい、そういうのを調べるためにi-Ballを積んでいる。一次破壊高度が大体76kmくらい?なので70数kmで放り出されると思っている。70〜80kmの70kmに近い方だろうと推定している。


―「放出」という表現でいいか?なんと呼べばいいか
小鑓:「放出」ではない。
内山:資料にあるとおり与圧モジュール内に縛り付けてある状態で再突入していく。一緒に壊れながら再突入していく中で外側が剥がれれば中のi-Ballが出て行くというイメージ。


―観測の開始は高度7〜80kmでいいか
小鑓:詳しいデータを持ってきていないが、写真以外にGPSなどのデータをかなりの高度から取っている。放出する前にも中の写真、放出されてからは外の写真、着水してからは位置のデータを送ってきている。


―「放出」ではないとのことだったが。何と呼べばいいか。「分離」?
小鑓:バネなどでアクティブに放り出されるわけでは無いので。多分記者さんの方がいい言葉を思い浮かべて書いてもらえるのでは


―では推定高度7〜80kmで「こうのとり」から、ぶ、分離ということで
小鑓:すみません、一次破壊が約78km、i-Ballが外殻から出て行くのが大体65kmではないかと推定。やっぱり「放出」がいいかもしれない(笑) 小型衛星みたいにアクティブに放出する機構はないという事で。


―持ち帰ったゴミの重さは?
小鑓:約2.1t。


―全体で何割ぐらいが燃えて何割ぐらいが海に落下するか
小鑓:足し算して…100kgちょっとではないかという想定。


NHK:お二人に。3回連続成功で任務完了し率直な思いを。内山さんへ、前回もピンクのシャツだったがそのあたりを
小鑓:ホッとしている。3号機ということで色んな国産機器も積んだこともあり是非成功させなければいけないという重圧も。不具合に見舞われたりアボートがあったりやきもきしたが、今後の宇宙機に活かせる良いデータも取れ運用手順も良い勉強になった。元々訓練しているが緊張感の中で実際やってみて再軌道計画を立ててちゃんとできたのは非常に大きな収穫。以前にも話したが3号機で一応プロジェクトはおしまいにしなさいと言われていたので、皆さんに胸を張って開発段階が終わり4号機からは定常段階に入ると言える事を非常に嬉しく思っている。
内山:私もホッとしているというのが一番強い。地上管制院はしっかり作って貰った機体をしっかり運用するのが使命。少しも気が抜けない。今もi-Ballのデータを受信しており、まだもう少しミッションは続いている。取ったデータの確認まではその使命の中でやっていきたい。シャツは…3号機のミッションカラーは実はグリーン。グリーンのシャツも考えたが持っていなかったので元々持っていた華やかなピンクを着たところ、反響というか「ピンク、ピンク」と言われ、勝負服のような形でキャプチャーの時も着た。再突入の時も着ないわけにはいかないかなという状況だった。




―毎日:管制室を横から拝見していて、地上からコマンド最後に送っていたのは14時23分40秒とかそれくらい? 一番最後に何を送られたか?
内山:時刻までは正確に覚えていないが、確か14時28分〜29分までは打っていたと記憶している。一番大きな軌道離脱マヌーバを打った後にいくつが技術データを取る指令を打った。最後ギリギリまでできることをやってデータを取ろうということでできる範囲で最後まで送り続けた。


―最後拍手していたのは何か受信を確認されて?
内山:何回か拍手したシーンがあったかと思うが、一番最後はずっと見ていたデータが途絶えたところが破壊した点だと考えられ、データが見られなくなった=ミッション完了ということで拍手をして締めた。27分には高度120kmを通過したところ。その後もコマンドは送り続けている。


i-Ballはパラシュートを開いて着水との事だが、何時頃着水というデータはあるか?
小鑓:あると思うが、30分後ぐらい?正確なところはまだ手元に持っていない。出てきたら着水位置・時間をお知らせできるものと思っている。


―どんな写真やデータが取れているかはまだ全く分からない?
小鑓:まだ分からない。データが取れている、というところまで。


―データの取得というのはいつから? 星出さんがスイッチを押す写真があったがその時点から? その後のタイミングでスイッチが入る?
小鑓:細かい数値は忘れたが、1回目の加速度を検知してから与圧を、次に検知して外の写真を撮るという形。


―それは大気圏突入後?
小鑓:そう。


―温度やGPS含めて?
GPSも加速度を検知してから。
―再突入してからスイッチが入り位置情報や温度、写真撮影が始まると。


―日テレ:内山さんへ。今日の再突入が本来の予定が3分くらいずれたが、端から見ていて3分とはいえちょっと大丈夫なのかなとハラハラしていたがそのあたりはどうだったか。今回船外活動含めプログレスのトラブルが影響したのかは分からないが日程が結構ずれていった。それも想定の中かと思うがやきもきした感じはあったか。ISS分離の際に星出さんが操作したと伺っているが何かやりとりはあったか。
内山:3分の遅れはISS離脱直後にアボートでバックアップ軌道に入るという安全上の措置によるもの。バックアップ軌道に移行したのが原因だが、全く違う軌道でたった3分の違いで時刻を合わせて再突入出来たということは手前味噌だが非常に凄いと思っている。しかも運用管制員はアボート直後にはそのプランを作り上げていた。たとえISS近くで何か問題がありバックアップ軌道に移行したとしてもすぐリプランして同じ日に再突入させるというのは日頃の繰り返しの訓練の成果が出た瞬間だと思った。3分早くなるというケースもありえたので、誤差の範囲かと。
日程変更は一言で言うと慣れている。打ち上げは決められた日にしっかり打ち上げる。天候で伸びる事もあるがそこはしっかり約束として守る。元々NASAと「この日には出る」と日程を調整するが、NASAISSでの作業が立て込むと「もう少し長くいてISSのゴミを積んで捨ててくれないか」というようなこともこれまでしょっちゅうあった。日常茶飯事の調整。今回船外活動で電源装置が取り付けられなかったというトラブルもあり、これはISSとしての危機。こうのとり側としても協力しなければいけない。「最低限の延長で済ましてくれ」という調整を行い6日遅れで離脱した。調整はいつも難航するがよくあることで慣れている。
こうのとり捕獲・離脱ともに星出飛行士とジョン・アカバ飛行士共同で行った。離脱間近、星出飛行士は2回の船外活動で非常に忙しかったので「こうのとり3号機モード」になるにはちょっと休憩して今週に入ってからからだったがやりとりは頻繁にしていた。2回目の船外活動が出た事で計画が変更され申し訳ないなというようなメールをくれるが、我々としては協力しますよ、星出飛行士も2回の船外活動は体力的に相当きついと思うがしっかりやり終えてからこうのとり離脱作業に移ってくださいという激励のし合い。地上側でもしっかりサポートするしISSでもしっかりやると、うまく協調して作業していく中でのメールのやりとりを行っていた。


NVS:内山さんへ。今回HTV離脱時にアボートの状況で安全に抜けているというのはよく分かるが、NASA.TVなどを見ていると分離後ロボットアームの方にちょっと戻ってきてその後離脱したように見受けられるがその時の状況を。
内山:凄いですね、よく見られているなと感心。我々も今はまだ原因がよく分かっていない。軌道上で撮られた映像を見て一体何が起きていたのか今調査している段階。仰るようにゆっくりとだがロボットアームで離した後こうのとりがロボットアームにダイレクトではないが斜めに近付いてくるようなシーンが確かにあった。その動きをこうのとり3号機が検知して「このままでは危ない」と離脱した。安全上の機能が正常に働いたということでそれはそれで上手く機能したが、原因についてはまだ調査中。


―アームの外し方、次のこうのとり4号機、同方式のドラゴンやシグナスに関してもこの知見・事例は共有されていくか。
内山:されると思う。NASAの方でもロボットチーム、ISSチーム、皆が認識してやっている。仰るようにこうのとりだけではなく同方式のドラゴン・シグナスを運用する時にも同じ事が懸念され、これはしっかり解決していかなければならないので細かいデータをこれから評価していく。


赤旗:成功して喜び合っていたのを窓口で見ていたが、その時皆さんで肩を叩きながらお話をしていたがどのような言葉を? またi-Ballのデータ開示だが、REBRでは不開示になっている温度データは帰還機にむけての重要なデータとなるのに加え弾道ミサイルなどの軍事に利用されかねないデータだと思う。このデータに誰がアクセス出来るのかそのあたりを詳しく。
内山:一点目、主にこの56日間のミッション、訓練から共にやって来た仲間、製造・運用には言っている者もいるので打ち上げてから色々あったのでそれをねぎらうようなお疲れさまというような会話が大部分。最後まできっちりミッションをやり遂げられたのでとにかくよかったという会話をしていた。
小鑓:i-Ballのデータだが、温度データは設計のノウハウに関わる。IHIエアロスペースが作っているが我々は共同研究ということでJAXAにはデータが共有される。一般的に外に出せるようなのは例えば加速度データ。機会があれば適時公開していきたい。


―一般の大学の研究者、防衛相や米軍に提供されるようなことはないと考えてもいいか
小鑓:データを提供してくれと来た時に使われる理由や申し込みの期間などを調べて総合的に勘案しJAXAとして対応していく。
―判断するのはJAXAIHI-A?
小鑓:そう。設計データに関わるものは基本的にIHI-Aさんのプロプライエタリーというか占有財産なので。


―ライター林:さきほどのアボートについて。JAXA発表では50分に分離されたこうのとりが異常を検知し55分に予備軌道で離脱したとある。アボートというとよく緊急離脱などで聞く言葉だがこの55分に異常を検知して離脱した事をアボートと仰っているのか?
内山:その通り。通常何も問題ない場合だとロボットアームから離された後で星出飛行士からのコマンドでこうのとりを起動する。そこまでは今回もそうだった。その後いくつかの小さなマヌーバを打ちながらゆっくり下がっていくのが通常の軌道。今回の場合だと5分後に予定のエリアを逸脱しそうだと検知したため緊急でアボートをした。
―それは自動的にこうのとり自身が行った?
内山:その通り。
―さきほど軌道プランを作り上げていたというのはアボートから再突入までフライトチームで作り修正していったということか
内山:その通り。どこでアボートするか分からないので全ては用意していない。今回のアボート位置からこの軌道に入ったという情報から、同じ日に再突入させるまでの軌道をすぐに立案した。それはフライトコントロールチームが行った。
―それは今までやってきたトラブルシュート例を応用して?
内山:無限にアボートするタイミングがあり、アボートする形態もいくつかある。その状況により変わってくる。訓練で行ったように実際行った。
―それで3分の誤差で入れたのはとてもよくできたと評価を?
内山:3分というのはほとんど誤差というかあまり変わらない時間に落とせたということ。通常であればISSから離脱して下へ行き前方に行く。今回はアボートを使いISSの前を通って上を抜けて大きく後方約500kmにまわりISSの下の軌道に入った。


―星出さんの船外活動の2回目をやり直した時にNASAで"next worst failure"の解析が行われている中でもし次に何かあったらこうのとりが離脱出来なくなる可能性も検討されていたと先日伺った。そのような用意はこちらのチームでも?
内山:多分離脱出来なくなるのではなく離脱が遅れるということだと思う。今回2回目の船外活動が成功し電源が復旧したので6日後に通常離脱を行えたが、こうのとりを離脱させる時にISS太陽電池パドルを「ある角度」に止めた状態の姿勢を取って離脱しなければいけない。すると本来太陽方向を向いて発電するものが更に不足する状態になり、直る前の電力事情のままでは離脱出来ないのでまずそれを復旧させるのが先決。ずっと直らなければそう言う話はあったかも知れないが、そこまでは検討していない。
小鑓:NASAも電力解析を行っており、8系統中3系統が死んでおり2系統を復旧させたが、3系統が駄目な場合でも分離できないことはないという結論は得ていた。まずは船外活動で交換させるのが優先。その後のトラフィックもあるが、最悪の場合は係留を延ばして離脱する事を考えていた。


―産経:お疲れさまです。離脱の件だが、こうのとり側が原因ではないと言ってしまっていいか?
小鑓:はい。ロボットアーム側の原因だと思っており、NASAの方で詳細解析しているところ。
―アームを外す時に紐が引っかかったとか?
小鑓:ここにアーム先端の模型があるが、3本のワイヤでグラップルフィクチャーという棒を絞めてグッとする。離す時は3本のスネアを緩めて引くのだが、その時にスネアと干渉があったか、それともエンドエフェクターの面とグラップルフィクチャーの面が強い力で当たって固着する可能性も無いとは言えない。ISSからの映像で動きを詳細に解析しどのような力がかかったか原因究明している。


―3分というのは再突入前に分かっていた?
小鑓:軌道を解析した時に大体3分くらいの遅れが出ると分かっていた。当然軌道をバーンするごとに見直すので。


―3分遅れて破片落下範囲は事前の予定通りの範囲だったと。
小鑓:3分遅れると少しずれるがノータムでは余裕を持った範囲でお知らせしているので、その中に十分入る範囲だった。


i-Ballの動作は完璧だったと言ってしまっていいか
小鑓:今のところデータを取得しているという事しか分からないので何とも。ただ先ほど申し上げたとおり加速度を検知しパラシュートを開き着水しちゃんと浮いてイリジウムと通信しているということは非常に良い成果が得られたのではないかと思っている。


i-Ballの成果は今後の帰還型に役に立つものが?
小鑓:そのためにデータを取っており、近くで回収したいので落下分散域を狭くしたい。そのために使える。


フリーランス大塚:HTVが分離した時、映像で見ると非常にゆっくりでよく見ないと分からないくらいだったが、相対速度はどのくらいだったか現時点で分かっているか
小鑓:うろ覚えだが秒速1cm以内〜数mmくらいだったと思う。
―回転はあったか?
小鑓:離した時に回転はあったが、すぐ起動したので姿勢は制御されていた。
―通常はRCSを吹かして高度を下げていくがその前にアボートという感じだったか?
内山:下げる前にメインエンジンでアボートした。
―コマンドではなくHTVが検知して自動的に?
内山:コマンドではなく自動検知してアボートを実施した。


―あとプレスキットに数字が出ていなかったのだが、ノミナルではどのくらい高度を下げてから前方に? 自然に?
内山:まず200mというのがISSの安全領域なのでそこより遠くにコントロールしながら下がっていく。4回に分けてマヌーバを行うが3回目のマヌーバをした後に200mを超えて前に抜けていき、5km下の軌道に入るという予定だった。
―5km下の軌道に入ると自然に前方に行くが、あとは3回の大きなマヌーバで再突入?
内山:その通り。
―今回はバックアップ起動ということでメインエンジンを吹かして軌道が膨らみ結果的に後ろに回る。その後は位相調整するために高度を下げながら?
内山:そう。まずはISS下方5kmの軌道に入れることを目標にして軌道を再計画した。ノミナルでそこから軌道離脱マヌーバを打つ位置。まずISSに絶対衝突しない安全な位置まで下げてISSの高度を横切るように下に入る。追加のマヌーバを4回打って下5kmの軌道に入れた。
―5km下に入れて徐々に追い付いて追い越した形?
内山:そう。今日11時半頃にちょうどISS真下を通り、ISS側のカメラで見ようとしたが今回はちょっと見えなかった。その時は軌道離脱マヌーバを打った後だったので更に80kmくらい下に下がっていた。タイミングが合えば見たいと宇宙飛行士も言っていたので情報は上げていた。
―推進系RCSの冗長系が使えなかったと思うがその後特に変化は無かったか。
小鑓:解析を行っており現状では駆動回路の電源系の部品ではないかと、そのあたりまで追い詰めている。
―初号機では再突入前に使っていない機構のテストを行っていたが今回は特になかったか?
小鑓:今回は行っていない。ご指摘のようにVDE(バルブ駆動回路)が壊れているということでなるべく負荷をかけずにリエントリする方針だった。


―今回で開発が終わりということだが4号機でこうした方がいいかなという何かアイデアはあるか
小鑓:HTVの設計はこれでFIXと考えているが、せっかく飛ばすのでこれを使った実験をできるだけしたい。4号機では太陽電池パネルを1枚少なくし表面電位計を付け宇宙空間での電位を図る計画。


―共同:管制室の拍手は通信が途絶えた時点での拍手だとの事だったが、その時に大気圏再突入を確認したと言っていいか
内山:実際に確認したのは少し前。14時27分に高度120km、ここを通過すれば所定の海域に落下するということで、それをもってしっかり再突入出来ると確認した。その後技術データ取得のためのコマンドをギリギリまで打っていたので、運用としてはそこまで打ち切ってデータが無くなって拍手。
小鑓:DOM3を吹いてしまうとあとは軌道力学だけでどこに行くかほぼ決まる。空気の抵抗はあるが。とりあえず120kmをリエントリと定義している。



―朝日:i-Ballについて、IHI-Aさんの図だとイリジウムに向けてデータを発出するようになっている。今i-Ballは南太平洋にぷかぷか浮いているわけだが、そのデータは国内のどこで受信しているか。
小鑓:北海道の大樹町で一次受信をしている。その理由は開発段階でそこで色々実験をさせて頂いて慣れているということ受信環境が良いということ。


―海面に浮いている時間はどれくらいか。長ければ船で回収でできるか。
小鑓:長くて1週間ほどで沈むと聞いている。お金さえあれば回収したいが、回収するならもっと立派な回収機を回収したいと思っている(笑)


NVS:初号機の時は蛍光灯を外して離脱している。3号機もLEDが付いていると思うが、i-Ballで船内を撮る時は暗いところを撮影して破壊が始まると光が入り画像が撮れるという仕組みか。
小鑓:蛍光灯を外しているので中は真っ暗だが、暗いところも撮れる。構体が赤くなってきて写るのだと思う。

やはりi-Ball大人気ですねw その速報についてはその後早速アップされています。あと分離後のアボートについてはやはりアームから何らかの力が加わって初速が出てしまったと睨んでいるようです。



あとその分離時の映像をマルチアングルにしてみました。こうするとやはりアーム側に近付く動きがよく見て取れます。しかしホントHTVは物凄い勢いで離れていきましたねw 映像ソースはNASA.TVです。