筑波宇宙センター特別公開に行ってきた 2012.10.13

さあ今回も張り切って行って参りましたよ!

05:30 出発


始発の新幹線に乗るべく日の出とともに出発。なんかめちゃくちゃ冷え込んでいます。




旅路のついでに各地でLTEを計測してみようかと思い立ち、ほとんど車内からではありますが停車時に測定。こちらはJR島本駅。駅前ではなかなか掴みませんでしたがホームに上ったらかなり来ました。反対側にアンテナ立ってるのかな? ここから京都に向かいます。




山崎駅は爆速。




長岡京駅も爆速。




新幹線京都駅。在来線ホームから上がってみると2倍以上のスピードが出ました。こうして見ていくと京都線は概ねカバーしているようです。




乗車して早速モーニングセットをむさぼる。ちなみに車内無線LANは一瞬1Mbpsくらい出ましたがあとはせいぜい数百kbpsでした。まあそんなもんだよね。




名古屋駅はそこそこ出ています。




左手に/^o^\フッジッサーン!




品川駅もまあまあ。


東京着


東京駅爆速。しかし在来線ホームに乗り換えると3Gに。山手線はやっぱりまだ穴があるようです。




ちょくちょく途切れますが、神田駅では爆速。

秋葉原


駅前に出てみるとLTEを掴み損ねました。3Gですが妙に速度は出ています。




つくばエクスプレスでつくばに向かいます。TX路線ではほとんどLTEは拾いませんでした。


09:45 つくば駅到着


駅を出ると大行列で、無料バスがズラッと並んで待機しています。


10:00 TKSC到着


明け方はかなり冷え込んでいたのにどんどん暑くなって参りました。この気温差は鼻に来る!


H-IIA高度化と次期基幹ロケット




H-IIの下に展開中のH-IIAコーナー。


―21号機のような2段目の白塗装で蒸発量を低減する試験は高度化の完成までにまだやる予定は
あれとはまた違うもの。更に断熱性能を上げる。
無重量では液体推進剤はタンクの中でふわふわ浮いている。そこで加速度を付けてタンクの底に押し付けたりする。壁面にペタッと張り付くとタンク表面から伝わる熱を吸収して蒸発するので、安定させるような構造になっている。他にはバーベキューロールで熱が集中しないようにする例もある。
―21号機の時の数値は出ている?
出ている。従来の液体水素の蒸発量は1日に30%ほどだが、10%くらいにまで低減した。月あたりまでなら十分だが惑星間となると厳しい。おそらく高度化初号機は「はやぶさ2」では。
―高度化する事で「はやぶさ2」などの深宇宙探査機の打ち上げにおいてウインドウの余裕やペイロードが増えたりするか?
繋がる。キックモーターを付けるのが一番だがそうしようとすると10億円くらいかかるかも。
―高度化することで2段目の近地点高度が上がるが、H-IIBで実験しているような制御落下は可能か
制御落下を求めるとペイロードがほとんど無くなってしまう。次期基幹では25年以内に2段目を大気圏再突入させられるようにしたい。

急がば回れ(ブースを)


今回も試験中の衛星が見られる「SITE」があるので、早めに並ぶためどんどん奥に行きますよ。




恒例の液体窒素




宇宙服で記念撮影できるのかな?


SITE


よし、やはり真っ先に来て正解! 前回は30分以上待ちましたからねえ。







これが内部の試験設備。滅多には入れませんからこういうのがあると頭に入りやすいです。





今回は10分ほどで入れました。撮影厳禁なのでカメラ類は袋に入れて進んでいきます。




今回は何やら見知らぬものがありました。解説によりますと「軽量衛星バス構体」なるもので、2〜3t級衛星を想定した全く新しい共通バスを研究中だそうです。黒地に縦ストライプが入っている感じでした。ちょうど音響試験が終わって移動中。また一番奥のスペースチャンバではALOS-2の姿が!…めちゃくちゃチラッと見えてました。というかほぼ土台だけ見えてました。まだ全機結合はしていないそうです。
あとASTRO-Hもあったようですがこちらは見落としてしまいました。





さて、どんどん奥の方に進んでいきますよ! 今日は座談会に出るため3時間で可能な限り見て回らなければいけません。


W-2棟 有人探査




めちゃくちゃ細かいのでとりあえず撮っておきました。有人往還機の開発要素。




こちら若田さんの講演会。これは聞いてみたいですが時間が無いため見送り。NVSさんが立ち寄っていたと小耳に挟みました。



謎の黒い球。




急いでいたので写真だけ撮って回りましたが、このシリコン単結晶持ってみたかったなあ。



こうのとり3号機で運ばれた水棲生物実験装置。現在ソユーズによるメダカ待ちです。



こちらもこうのとり3号機で運ばれたポート共有実験装置。REX-Jとかが入ってます。



ガンマ線バーストX線新星に目を光らせているMAXI。






静電気で金属球を浮かせてレーザーでジュワッと溶かす装置。本気出したらタングステンでも溶かしちゃうそうですがさすがに人前だと危ないので今回は手加減しています。2014年度に打ち上げ、多目的実験ラックに搭載予定。




船外活動で足場を固定する器具。アルミ合金製で、これ1つで高級車が買えてしまうお値段だとか。



こちらはマニュアルレンチ。星出さんが最終的にこれでボルトを締めてましたね。




ISS/HTV管制とみちびきお宝探しは前回参加したので今回は見送り。





筑波宇宙センターの鴨さん。


S-6棟


スイングバイゲーム。遊び方はこんな感じです↓



この紹介動画を見てめちゃくちゃ面白そうだとおもってたんですが大行列でありました。




iPadで水ロケットシミュレーション。


C-1棟


観測衛星関連ブースのあるこちらに向かいますよ。どんどん回らねば。




「しずく」の観測データを投影した球形モニター。実は初めて見ました。




衛星から見た東京湾





ALOS-2は鉛直方向から左右いずれかに30度傾いた観測姿勢で、(偏波によりますが)入射角8〜70度で走査可能となっています。このため可視範囲にいる場合は次の90分後のパスでも国内なら緊急観測が可能になっているとか。もちろん可視外にいるタイミングでは次の可視を待たなければいけませんが。
ALOS-3も忘れてはいけませんよ。光学衛星はASNAROと被ってるしーとか政府は言ってますが機能が全然違います。センサはデジカメとスキャナーくらい異なりますし観測範囲も段チで、あとこちらは地形図作成に不可欠な高度情報が取れますからね。



3Dメガネかけたら超浮き上がって見えた。



現在開発中のGCOM-C1には赤外線センサが搭載されます。「しずく」の相棒。





ん? しずくちゃんポスター?



と思って振り向いてみたらしずくちゃんきたァァァァァ−! ナデナデされまくってました。



宇宙兄弟で記念撮影。






行くたびに進化し続けている空中発射。いよいよ新型機の飛行に成功しテレメトリデータも得られたようです。


スペースドーム


さて、お気に入りの展示館にやって参りましたよ。相変わらずどの機体も素晴らしい迫力であります。



おおお、宇宙飛行士の皆さんからの寄せ書き発見!




HTVこうのとりの色の違いを解説。カプトンがオレンジっぽいのと黄色っぽいのはメーカーの違いだろうなと思ってましたがメーカー名まで載っています



うむ、相変わらずHTVはマーベラス。今回も今田さんが立っておられたのでお話を。


HTV-Rの与圧部は約1.6tとなっているが、ドラゴンだと約3t搭載できるとなっている。全体の重量の配分でこうなる?
多分1.6tまでは積めない。体積が重要。ドラゴンと同じくらいで体積は16立方mくらいだがそこに積もうとすると1.2〜3tくらい。機体全体としては16.5tに対し1.6とあまり良くないが、HTVだと6t弱で全体に対しだいたい40%と優秀な方。ドラゴンも同じくらいの比率。ドラゴンも多分3tも積めないのでは。HTVの与圧は大体40立方mくらいあるが、頑張って4t。
―物資の積み方による?
物資はうるさい。パックすると密度が低くなる。理想的に言えば重たいものだけ積めば積めるがそれはありえないので。ATVは大きいが与圧に積める量はほとんど同じ(ATV5.5t/HTV5.2t)。
―なかなか都合よくはいかないと。
ロケットの人たちは重さだけで考えちゃうがそうはならない。有人だとまた変わってきて、トラックだと何t積載となるが乗用車だと中のスペース。発想の転換が必要。ペイロードの重さだけではなくペイロードに応じて考える必要がある


i-Ball的なものにちょっとした荷物を入れておいて回収するというような事もやろうと思えばできる?
できる。今回もう1つのREBRと共に運良く出て来たが、以前のATVに載せた時にデータが取れなかった。与圧部の破壊時に壊しちゃったのかも。それだけ不確実性はある。また現在落としているのはニュージーランドと南米の間の何も無いところ。船も飛行機も来ないような所に回収に行くのも大変。
―逆に、回収しないのに近海には落とさないと
i-Ballで落下範囲を狭めてということになる。昔USERSというカプセルがあったが、これは硫黄島の東。そのあたりや、あとはウェーク島〜ハワイのあたりに落とせないかなと。ただやはり最終的にはドラゴンのように沿海が目標。
i-Ballの画像は全部?
発表されているもので全部。後のものは明るくすると何か写ってるなという感じで何なのか分からない。
―何が燃えてるかまでは分かる?
分かるがあまり正確ではない。はやぶさのように飛行機から連続的に撮ればバッテリーが燃えているというのまで分かる。役に立てるにはそういう経験を積む必要がある。
―そこに行くまでにも再突入の経験を積んだりデータを取ったり出来そう
私はOREXに関わったが、もう20年くらい前。
―H-II初号機!? あのかなり平べったい…
直径3.4m、重量860kgとかなり軽い。耐熱材もC/Cタイルを使い、HTV-Rのようなアブレーターではなかった。HTV-Rは直径約4m、重量約6.5t。多分(耐熱材重量は)1/4。
―HYFLEXもカーボン?
カーボン。弾道だがマッハ16くらい。
―あれは確か回収しようかな?となったが回収できずちょっと勿体なかったがデータとしては十分だったと。
十分。OREXの時も最初は全く回収する予定はなくずっとそう言っていたが、誰かが「回収したら?」と言う。OREXの時は回収しない言い訳を作って何とか頑張ったが、HYFREXでは頑張れなかった(笑)
―期待されちゃう。
OREXの時は日本から遠かったが、HYFREXは「そんなに遠くないから」と。


―HTV-4で海外製部品を使うのは在庫処分?
在庫処分。余ってしまった(笑) 今回メインとバックアップ共に国産だったが、推進系担当の人は片方国産片方海外製にして何かあったときに対応したいと思ってたかも。国産化のスケジュールがちょっと延びそうになったので購入した。海外製スラスタは買うと決めてからモノが入ってくるまで1年半かかる。
―一から作る?
Aerojetという会社はまずバルブを買って材料を買って加工してという工程を米国内で色々やって、基本はまとめ買い。今回は1機分でちょっと高く付いた。


―先日の3号機の分離を見ていると予想外の方向にシャッと離れていった。賢いアボートだと思った。
あれは完全にアボート。画面を見ていると離した後にだんだん近付いてくる。どうも何かがひっかかったのではと。
―管制で見ていて「近付いてくるなあ、離脱するかな。あ、離れた」という感じはあった?
見ていてヤバいなーとみんな思っていた。ある瞬間パッと離れて一瞬「何が!?」と。もちろんアボートとは知っているが。そして画面から見えなくなってしまった。前を抜けてフライバックするから当然だが。


―ドラゴンの接近を早回しで見ていると結構ふわふわする。HTVはとても安定して見えるがこれはスラスタの構成による?
HTVのスラスタは110N、推力10kgくらいしかない。機体の全ての端に付いているのであまり吹かさない。ドラゴンは再突入するときのコントロールにも使うので機体に比べて出力の大きいスラスタ。HTVのが1とすると10くらい。結構ピーキー。挑戦的な設計をしていると思う。
―思い切った設計をしている。下のドンガラに船外物資を積んだり。ただあれは曝露パレットがあった方が取り回しは良い?
全部引っ張り出せるので使う側としては全然楽。貨物の固定も機体の固定も全部合わせないといけないので。パレットを噛ませると専用の取り付け方ができる。与圧部の物資も450kgくらいかかっている。





HTV-Rのチラシゲット! 現在は風洞試験やアブレーターの開発などを行っている段階です。




颯爽と寄附しておきました。



HTVのところで思わず話し込んでしまいましたが、座談会まであと5分になってしまったので急いで会場に向かいます。今回もこちらの記者会見室!




室内の様子はこんな感じでありました。自分含め3人の登壇者と、あとJAXAさん側から高度化プロジェクトの石川さんが司会を務めて下さいました。種子島で顔見知りの方や、まだ行ったことがない方も含め色んな方々がおいで下さりいい感じで盛り上げられたように感じます。今回は登壇者同士の掛け合いを積極的にやったので前回までより「座談」っぽさがちゃんと出せたかなと。自分は自作の動画をベースにぶっつけ本番でトークを入れる感じでしたが、なんとか繋がったかな? 21号機の白い部分に石川さんが鋭く反応してくださり、そのあたりちょっと狙って編集してたので良かったですw
あと実はプレゼンの様子の動画を撮影してたのですが、自分の時だけカメラの録画ボタンを押し忘れており失敗してしまいました('A`) 代わりといっては何ですが、この時流した動画を追々手直ししてまたニコ動辺りに上げておきます。ご来場ありがとうございました!




あと、今回の座談会のお礼の品を頂きました。これはH-IIA21号機のフェアリングで、MHIから回して頂いた非売品とのこと。有り難く家宝に加えさせて頂きます!



ちなみにこちらは前回頂いたH-IIB初号機フェアリングと並べてみたところ。




16時に特別公開は終了。帰りのバスでつくば駅に向かいます。半分は座談会だったのであっという間な感じでしたが、今回も非常に楽しかったです。天候にも恵まれ爽やかな秋晴れ。うーん、良い気分。




20時半頃に京都駅着。颯爽と改札に向かうとなんと特急券が無い!! ヤバイこれ無くしたら買い直しになっちゃうよ! もしかしたらホームに出て携帯をポケットから出したときか…?と思い探しに行くも見当たらず。仕方が無いので駅員さんに申し出ると、「その座席の切符は拾得物で届いてますのでそのまま通って頂いて結構ですよ」とのこと。うおおお届けてくれた人ありがとうございます!!




今回はまたしても金木犀さんとなりたさん、今回新たに登壇されたロケッこさんにこのようなお品を頂きました。有り難く堪能します!