超音速スカイダイビング、宇宙旅行の安全確保に貢献も [ロイター]

バウムガルトナーさんは14日、米ニューメキシコ州の上空約3万9000メートルからダイビングし、最高落下速度が約1340キロと史上初めて音速の壁を超えた。

「今回の音速超えは生易しいものではなかった。地上の我々にはソニックブーム(超音速飛行で発生する衝撃波が生む大音響)が聞こえた」。バウムガルトナーさんの担当医師、ジョナサン・クラーク氏は振り返る。クラーク医師は、自身の経験からこの挑戦が危険であること知っていた。同氏の妻は、2003年のスペースシャトル「コロンビア号」の空中分解事故で亡くなった宇宙飛行士ローレル・クラークさんだ。

音速を超えた場合に人間の体はどうなるのか、医師らには確証がなかった。コントロールできずスピンしてしまうのか、それとも意識を失ってしまうのか、最悪の場合は体がバラバラになってしまうと危惧する人たちさえいた。

バウムガルトナーさんは今回のスカイダイビングで特殊な宇宙服を着用しており、音速を超えたスピードで落下しても体に問題は出なかった。民間企業も参入する今後の宇宙旅行では、こうした宇宙服着用を義務化する方向に動き出す可能性もある。

クラーク医師は「もし宇宙船が打ち上げ時に空中分解して上空に放り出されても、(宇宙服を着ていれば)生きて地上に戻ることができる可能性がある」と語り、ダイビング成功の功績を評価した。

一方、超音速を達成したバウムガルトナーさんだが、実際には音速を超えたという実感はなく、「まるで水に触れずに泳いでいるような感覚だった」という。

凄いですよねこれは。最悪、宇宙船がアボートに失敗した場合にでも、ある程度の速度以下ならこういう装備で生還する目が出たわけですから。