『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』 ネタバレ感想

というわけで今週3回目を観に行ってきました。
最初に観たときはまさに劇中のシンジ君状態。最初の6分間が最強に格好良く、いざ地球に帰還してみるとサルベージされたシンジに注がれる視線は敵意丸出し、何もするな何かしたら殺す、そしてここまでほとんど状況説明無し。そりゃ唯一手を差し伸べてきたレイ(黒)にホイホイついていきますよw いやそこで何も起こらなければじっくり説明があったでしょうが、破でアグレッシブになったシンジさんがそうそう大人しくしてるとも思えません。以前のシンジ君なら膝抱えて大人しくしてたかも知れませんが。
そしてヴンダーがあまりにナディアなノリで(だってBGMまでアレだし)、一瞬「これはエヴァなのか?夢落ち展開なのか?」と混乱。しかしどうやらやはりエヴァな模様。一応第三艦橋っぽい所に顔っぽいのもあるし、腹部の有機的なデザインとか輪っかとか要素要素で主張してましたからね。ただもうちょっと海面から浮上する時の水しぶきとか描写して欲しかったな。そこだけのっぺりした感じで気になりました。あ、ギミックの動作とかはちゃんとハァハァものですし他のシーンは満足してます。


着いた先はどうやら職員はゲンドウと冬月以外見当たらないネルフ本部。あれどうやって動いてるんでしょうかね。オートメーション? しかしゼーレの皆さんの電源落とすの冬月先生が作業してましたしね。なんか外から見たらカリン塔みたいになってるし。カヲルが外の景色を見せてくれましたけど1回目は正直わけわかりませんでした。ネルフ本部の周囲がえぐれてるの? それともネルフ本部が突き出してるの? ていうかあの格子状の模様が入った丸いの、あれやっぱ月なんですかね。雲が見えますがその下にうっすらクレーターとかありますし。そりゃシンジだってあんなの見せられてもどうしようもないわ。ていうか以前はジオフロントの地下だったはずの場所にしっかり展望台が作ってあったりするんですよね。このネルフ本部の廃墟っぷりは退廃感溢れてたまりませんでした。


そしてここでシンジがサードインパクトのきっかけだと言われるんですよね。あくまできっかけ。ニア・サード。破のラストでも(破と連続した世界なら)カヲルのMark.06が初号機の覚醒を止めた時点で赤い領域はせいぜい関東地方周辺までしか広がってませんでしたし、リリスさんも微動だにしてませんでしたし、ましてやネルフ本部が空に飛び出したりもしてませんでした。なので今出ている情報だけ見てみるとシンジが起こしたのは初号機覚醒によるニア・サードまでで、サードインパクト本ちゃんはシンジが溶け込み中の間にMark.06あたりですったもんだがあったんじゃないかなーと。破の時のQ予告がこの14年の空白期間なんでしょうね、本編には全く描かれませんでしたが。なんか一身に罰とか背負わされちゃったシンジが可哀想に思えてくるのであります。カヲルが取っちゃいましたけど。


ところで「鈴原トウジ」の名前入りカッターシャツが差し入れられたりしてましたが、トウジって生涯ジャージですよね。シンジの行動を即す意図バリバリ。ただ妹のサクラがごく普通にシンジと接していたあたり、生存フラグは立っている気がします。ていうかサクラ良いですよね。あとダイレクトエントリーするユイが若干天使っぽくて見とれた。


そしてカヲルが「やっぱやめよう」と言ってるのにシンジは槍を抜いちゃいますが、まああそこまで行っといて素直にOKやめようとは言わなさそうだよなあと。カヲルもそんな必死に止めませんでしたし。しかし何だかんだでミサトやアスカは全くシンジの事を見捨ててませんでしたよね。ミサトは第13号機の背中に特攻するときもシンジの事が一番気がかりな感じでしたし、アスカは世話焼きな感じでしたし。レイ(黒)も何やら自我に目覚めつつある感じ。結局ラストシーンであの3人組が一緒に歩き出したのは実に感慨深い光景でした。宇多田ヒカルの曲も滅茶苦茶マッチしていました(脚本はネタバレにならない程度に斜め読みしただけだったそうですが)。マリも何だかんだで定着してましたし、あの楽観的なキャラのおかげで最後まで空気保てたなーという感じがしました。あとニア・フォースインパクト(?)で地中から飛び出してきたデカイのが何となくテッペリンっぽい。


ところで「ミサトさんが冷たすぎ」という感想はよく目にしますし自分もパンフのインタビュー読むまでは「何なんだよー」と思ってましたが、こちらの記事を読むとかなり腑に落ちました。

エヴァQアスカ最強の萌えポイント [さめたパスタとぬるいコーラ]


Qはその状況説明皆無っぷりのすっ飛ばし展開に賛否が分かれていますが、よく見ると随所に時間の経過を感じさせるさりげない演出が入ってるんですよね。ホントにさりげないので初回鑑賞時には呆然としすぎて全然そこまで気が回らなかったのが正直なところですw こうして見ると旧劇の時に比べれば随分ポジティブに最終章へと繋いでいるんですよね。まあ一体どうやって収拾つけるのコレという感は満載ですが、そこはハッピーエンドにするという公約に期待する事にします。ストーリー展開でいうとその密度は使徒3体倒した序と同じくらいかな? 破では確か5体も倒しましたし(旧作でいえば20話相当まで)、シンジさんへの変化も相まってかなり熱い内容でしたが、今回は実質3回戦ですしね。とはいえ空白の14年に放り込まれるので、そこで圧倒されるか突き放されるかは分かれ目でしょう。自分は前者でしたが。
あとサントラ届きましたけどこちらも実に素晴らしかったです。