韓国航空宇宙研、月探査船試験モデルの性能テストに成功 [朝鮮日報]

 韓国航空宇宙研究院は、先月5−30日に全羅南道の高興航空センターで、月探査船がロケットから切り離されて月面に到達するまでの約30秒のプロセスをテストした、と5日に発表した。テストの対象は、月面で600キロ(地球上では100キロ)の物体を持ち上げられる大容量推進装置5基と姿勢制御用の推進装置、バルブ制御装置、着陸制御用のコンピューター・ソフトウエアなど。探査船の足を地上に着けた状態で、実際の月面を3次元バーチャルリアリティーで具現するシミュレーターとつなぎ、各機能を試した。

 研究陣は、探査船を2021年に開発完了予定の韓国型ロケットに搭載して月の軌道に乗せ、ロケットから切り離して月面に着陸させる計画だ。550キロほどの中・小型衛星に五つの足が付いている。

こちらにプレスリリースが出ています。

航宇研、月探査機の地上モデル試験成功(韓国語) [KARI]

今回テストした月探査機の地上試験用モデルは、月の環境で約100kgを持ち上げることができる200N級の大推力スラスター5機と姿勢制御用5N級スラスター、バルブ制御装置、着陸制御コンピュータとソフトウェアで構成されており、海外の月探査機が撮影したデータをもとに月の環境を構築し、月探査機の着陸を3次元仮想現実として実装するシミュレータと連動して燃焼試験データだけで月探査機の運動を確認することができる。

また、今後月探査機を搭載する韓国型ロケットのフェアリング仕様と打ち上げ性能を考慮して約550kgの中・小型級衛星構体にデザイン形状と性能を設計することで、本事業推進の際に一部の設計とパフォーマンスの向上を通じ、実際の月探査において迅速に適用できるのが特徴である。(Google翻訳から意訳)

どうやら試験機の実データをリアルタイムでシミュレータと連動することでうまいこと動くかどうか試験したようです。まあそもそもこれを打ち上げるためのロケットを完成させなければいけないわけで、まだ随分先の話になると思いますが。


ちなみに日本では次期SELENE計画に向けたFTB試験を10年以上前に行っていますが、「かぐや」ミッションが終了し3年経った現在もSELENE-2はスタート出来ずにいます主に予算面の事情で。より低コストの小型科学衛星シリーズSLIM計画もありますがこちらも順番待ちでなかなかプロジェクト化されませんから、どちらも早くて5年後に来るのかどうかですね。探査機は「はやぶさ2」とBepiColomboで手一杯という感じです。