NASA、地球の気象観測データをスキャンするISS-ラピッドスキャットの設置計画を公表 [レスポンス]

アメリカ合衆国は2009年の終わり頃、NASAのクイックスキャット観測衛星の、シーウィンド・スキャテロメーターのアンテナの老朽化による故障によって、その機能を失ってしまった。NASAのジェット推進研究所とジョンソン宇宙センターの国際宇宙ステーションプログラム事務所はこの事態に対し、クイックスキャットとADEOS 2の余ったコンポーネントを利用し、代替となる器機の組み立てを急いでいる。

ISS-ラピッドスキャットは2014年にスペースXドラゴンの物資供給ミッションに同乗し、国際宇宙ステーションへ打ち上げられる予定である。そして梱包を解かれたISS-ラピッドスキャットは、ロボットアームによってコロンブス・モジュールの外部に取り付けられ、クイックスキャット観測衛星の地球気象観測任務を引き継ぐことになる。

Space Station to Scan The Globe For Weather Data With ISS-RapidScat [NASA]

これはSeaWinds(洋上風観測装置)という回転式パラボラアンテナで、マイクロ波により海面の散乱を観測することで海上の風向・風速を測定するもの。NASAのQuikscatや日本の「みどり」「みどり2」にも搭載された観測装置ですが、どうやらその部品をかき集めてISS用のをこしらえちゃうようです。極軌道ではないもののESAやインドの観測衛星からのデータの校正ソースとしても期待している模様。