筑波宇宙センター特別公開に行ってきた 2013.04.20
今回も始発の新幹線に乗り込み筑波へ。今朝はやたら冷え込んで出て行く時に服装を迷いましたw
筑波宇宙センター着
今回から会場マップが観音開きでとても持ちやすくなりました。これはGOOD!
今回もまずは総合環境試験棟「SITE」へ向かいます。人工衛星の実機が各種試験中で、時間が経つとかなりの大行列になるので真っ先に向かうようにしています。写真右手には恒例の液体窒素屋台。
並んでいるうちにふと後ろを振り向くと、すでにこんなに行列が。
30分ほどで自分の番が回ってきました。案内される方が小脇に何かを抱えています。
15分ほどで見学終了。今回はかなり組み上げられたASTRO-Hさんを拝むことが出来ました! 台車に乗って2人が作業中で、横に太陽電池パドルが立てかけられておりました。あとイプシロンのフェアリングもこちらで音響試験を行っていたそうです。
新型冷却下着。福島第一原発や消防の現場からリクエストがありポータブル型を開発中。ユニット全体で約3kgで、連続稼働時間は2時間弱。短いようにも思えますが、条件的には20分〜40分も動けば十分なのだそうです。
ちなみに宇宙空間において熱源として支配的なのはやはり太陽輻射で、温度調整が機能していない状態ではどんどん温度が下がり、月面などでは地面から伝導して熱が逃げていくので更に降下します。逆に日なたでは温度が上昇するため冷却する必要があります。
こちらは宇宙服。左の気密拘束層はまだ内側ですが、これでもかなりスリムになりそうですね。
こちらはきぼう/こうのとり管制室見学の長蛇の列
S-1棟のロボット実験を見に行きたかったのですが、こちらもかなり行列が伸びていたので断念。自分は今回も座談会に登壇するため、2時までにできるだけ見て回らなければいけないのであります。
C-1棟に向かってまず「だいち2号」。「いぶき」と同じ衛星バスを採用しておりパドルが冗長化され、仮に片方が機能しなくなってももう片方のパドルとバッテリーをやりくりすることで1周回のうち半分強の観測は続行できるそうです。またセンサが高性能化したことでデータ量が大幅に増えるためデータ中継衛星は必須で、もし「こだま」が運用終了になった場合はNASAのTDRSなどに協力して貰う方針。観測データはソフトウェア圧縮で転送されますが、圧縮ソフトもアップデートできるかもと。
あとGCOMブースに行って、以前ここで「いぶき」見に行く宣言した手前バッチリ見てきましたよと報告w
隣の部屋では降雨観測衛星TRMMに搭載されたPRによる観測データが地球儀スクリーンに映し出されていました。今年度打ち上げ予定のGPMにはこれの進化形であるDPRが搭載されます。PRでは小雨や雪が苦手でしたが、DPRではそれらを克服しており、極地方の降雪なども詳細に観測できるようになるそうです。
H-II下で年々進化し続ける空中発射。謎のマスコットも出現!
輸送ミッション系のポスター展示。色々お話を聞いてみたかったのですが時間が押していたのでひたすら撮ってきました。
イプシロンと次期基幹ロケットの開発。こうして見ると次期基幹は射点倒立型を検討しているようです。
LNG推進系の研究。LE-8の成果を元に、イプシロン上段への適用も検討されているようです。写真は3〜4t級の小型LNGエンジン。
さてお馴染みスペースドームに。ここに来るたび宇宙機のスケールに圧倒されます。
國中プロマネからのメッセージ。引き続き募集中です。
イプシロンは2体置いてあります。
ISSでの研究。超ブレていますが、筋ジストロフィー薬の臨床を目指しています。
HTV「こうのとり」4号機に搭載予定の物資。水480Lというのは2号機の時の6倍相当ですね。あとi-Ballも。これは今後毎回載せるんでしょうかね。さらに宇宙機の帯電を測定する装置も載せるようです。船外物資としては以前星出さんが交換作業を行ったMBSUの予備品も含まれています。いわゆるバッテリーですが、船外用バッテリーは「こうのとり」でしか運べないと言われていたのでいよいよ出番という感じですw
ここで色々質問してみました。
―シグナスの運用を受注したというニュースがあったが、あくまでオービタル・サイエンシズ側が主導的に運用する?
JAXA側は近傍通信システムの運用を行う。あの記事は若干飛ばしが入っている。
―運用はHTV管制から?
HTV管制から。人数は少なめ。
―今回だけではなく今後も請け負う?
近傍通信システムは日本のものなのでそうなる予定。HTVの運用とは被らないように調整。
E-2棟記者会見室にてイプシロンロケットミニ講演。
メッセージ募集に寄せられたうちの一部。
ここで質問をしてみました。
―イプシロンの第1ステップを「E-X」、第2ステップを「E-1」と表現しているが、コストダウンされたE-1まではE-X○号機というふうに2・3機打ち上げを行う?
仮称としてそう呼んでいたが、現在は今年打ち上げられる試験機のことをE-1と呼んでいる。第2ステップとしての「E-1」に替わる呼び方として良い案はないか?
イプシロン用の煙道は数パターンを試験した結果、このタイプが最も効果的に音を抑えられたそうです。
こちらでも質問してみました。
―イプシロン用に煙道を設置したが、音響低減用の散水は無い?
射場設備をシンプルにするため、散水装置は設置しない方針で設計。
また別の方がファイヤー・イン・ザ・ホールについて質問されていました。M-Vでは1段目の燃焼時間は短かったのでFITHを行っていたが、イプシロンでは長秒時燃焼タイプであるSRB-Aを用いるのでFITHは不要になったとのことです。
この職員講演が行われた会議室でそのまま座談会が行われました。ぶっちゃけると進行はほぼアドリブだったのですが何とか乗り切れましたw 初内之浦に向けて大変勉強になりました有り難うございます!
16時を回り開催終了。バスでつくば駅に向かいます。このあと20時頃まで夕食と称する事実上の飲み会。
新幹線の終電が21時20分だったんですが、ほろ酔い気分でのんびりしてたら20時のつくばエクスプレスを逃してしまいました。20時25分の区間快速に乗って秋葉原へは21時10分に到着します。そこから東京行きの電車は21時11分と21時14分があり、21時14分に乗ると東京には21時18分に到着しますので乗り換え時間は2分しかありません。なんてこった!
というようなことをTXに乗りながら検討していたところ、ご一緒した方が秋葉原での最短乗換えルートを調べてくださいました。ありがとうございます!
さて、結論から言いますと秋葉原で1分で乗換えるのは無理ゲーでしたw というか地下4階34mですから割と死ねます。酔っ払ってますしw ということで頑張って21時14分の電車には間に合いました。正確に言うと電車のダイヤに乱れがあり21時11分の電車が21時13分にやってきました。そして21時17分に東京着。そこからICOCAを握って新幹線改札に猛ダッシュ、駅員さんに「すみません乗り遅れそうです!ハァハァ」と伝えると、「ではこれを車内で見せてください」と乗車駅証明書を渡して下さいました。
そしてダッシュで階段を上り滑り込みセーフ。な、なんとか間に合った! もしこれで間に合わなかったらサンライズエクスプレスも考えていました。ちなみに車内購入は現金のみ対応だそうです。車掌さんにお願いしたところ15分ほどでICOCAを精算しチケットを持ってきてくださいました。
23時30分頃に京都着。皆さん今回もお疲れ様でした!