H-IIB4号機/HTV「こうのとり」4号機 打ち上げ後記者会見起こし

毎度のことですがNVSさんの中継から起こさせていただきました。

第1部
MHI鯨井
5時48に打ち上げ、正常に飛行しHTV-4を所定軌道に投入。成功裏に完遂することを祈っておる。H-IIB打ち上げ輸送サービスは初。100%。H-IIA/Bシリーズ20回連続成功。関係各位に心より御礼申し上げる。さらに心を引き締め連続成功を続けていく所存。


JAXA奥村理事長
ロケットを無事役目を果たしていただいた。サービス移管、JAXAは安全管理。HTVは順調に飛行中。8月9日の把持を予定。


山本特命大臣
多様な物資を搭載し運搬するもの。大きな役割を果たすと期待。基幹ロケット20回連続成功、大きな信頼性。役目を果たしていくものと期待。担当大臣として初めて視察をしたが6分以上ロケットが見えた。ブースターやフェアリングの切り離しも見えた。2段目がみえたかどうかは論争中。これを見られたのはラッキーだった。打ち上げ時刻は0.3秒しかずれていない。きわめて正確。日本の強みである。ISSが真上を通過するのも見えた。秒速8㎞というものすごい速さ。「こうのとり」の極めて高い技術力に感銘。


丹羽
非常に喜ばしい。製造過程から見てきた。ロケット技術の着実な発展・向上。しっかりISSにつなげてイニシアティブをとっていく展開を望む。

質疑

―日経:MHI体制での成功。海外との競合、今後MHIとして戦略は
鯨井:ひとつは両機種を製造から打ち上げまで一貫してということで幅が広がる。デュアルロンチでコストを下げようという動き、H-IIBにも取り入れる。政府のインフラ輸出と合わせ総合的受注活動、アジア中東で積極的に売り込んでいく。


―テレ東:古川さんがHTVを有人化したいと言っていた。可能性はあるか、国としては

山本:宇宙基本計画の中にもあるように一定予算を確保していく。ISSについては国際協力としてのプレゼンスに資する。意義がある。「きぼう」は産業競争力強化への成果が明らかではないということで費用対効果を踏まえ各国と協力して行う。


―共同:国際競争の話、信頼性は高まってきたがコストの問題。打ち上げ費用はどの程度か。民営化の意義を

鯨井:費用は競争力や個別契約の内容のため公表は控える。ものづくりから打ち上げまで一貫して実行する、信頼性も高まる。一貫生産によるコスト制限、H-IIA/Bのセットによる受注戦略、ラインナップ多様化などの観点で意義がある。


―朝日:きぼうや一定の予算ということでポジティブな評価。次期基幹ロケットについて有人をどうするかという言及がない。国の姿勢が見えにくいが

山本:新型の基幹ロケットについては輸送系全体像を明らかにし総合力を結集して着手するとある。宇宙輸送システム部会で実用システムとしての在り方の審議を行っている。これをとりまとめて推進していくというのが正確なもの。


―読売:新型ロケット競争力のこと、今回のH-IIA/Bはコスト下げるなどで競争力を高めたいというのもわかるがそれにも限りがある。海外で非常に低価格なロケットが出てきている状況、国として宇宙産業振興を図る戦略など考えは

山本:新型については我が国の総合力を結集してというのにつきる。コストもあるが戦略の一部として民間努力を促していく方針。準天頂衛星やリモセン衛星を売り込んでいく。防災としてのリモセンプロジェクトもある。内閣が中心となり進めていかなければいけない。


NVSHTV-Rなどの発展型の話。ISS継続が前提?
奥村:一定規模で研究を進めているが有人等を含めた要素技術ととらえている。これからのシナリオ展開にも有効な範囲で進めている。ご指摘にも添える範囲で進めていく考え。


―読売:ラインナップが広がった、他方でH-IIBはこれまでがすべてHTV。商業受注の実績がないのがネック。これを解消する戦略は。
鯨井:H-IIA含め国際競争力としては価格と実績。信頼性としては高いが実績重視という中には回数の多寡も評価になる。時間がかかるが実績を高めていく取り組みが必要。長期的には次期基幹ロケットにも取り組んでいく考え。


―産経:こうのとりは国際協定で7号機までは運用。2020年までISSが運用されるが7以降の運用の可能性は
山本:それ以降は各国それぞれの立場で対応、日本の国益などを考え議論し判断していく。


NVS:理事長として初めて打ち上げの感想。ISS交換物資が多くなる。何か一言
奥村:実を申しますと極めて緊張していた。無事打ち上がり順調に飛行しているということで今は非常に気持ちが楽になっているというのが正直なところ。HTVでないとというものも増えてくると考えられるので役割は大きくなり、海外からの期待も膨らんでくるのではないかと思う。


―夏休みということでかなりの方が楽しまれたと思う。観光を通じての現地の交流。イプシロンもあるが振興策をどう考えるか
丹羽:観光客にもつながるのではと思う。年に数回ではインフラコストが厳しい。宇宙のイベントを継続的に行い若い人たちを引き込み繋げていくのが大切では。

第2部

南日本新聞:予定通りの時間の打ち上げが続いている、意義と感想
二村:オンタイムの打ち上げ、昨年度もいずれも3機とも予定通り。衛星を運ぶ依頼をした方々にすれば非常に重要なこと。延期で余分な費用がかかるということも無くなる。信頼度の一つ。売り込みにおいても強い要素。感想、成功したということが第一。非常に満足している。


―読売:予測値と実測値がほぼ同じ。分離は2秒遅れというのはこれまでの打ち上げと比べてどうか。
二村:最近の打ち上げではほぼこの制度。エンジン性能の精度、ブースターの性能のばらつきも少ないということ、安定している。


―日経:今回からMHIが担当、意識の変化など
二村:会社として考えるとスリーダイヤがかなり大きく貼られていた。我が社社員としては非常に責任感を感じる。使命感を帯びて臨んだ。


―毎日:H-IIB4回目ということで非常に順調だったと思うが大変だったことはあったか。
二村:少なくとも今日の打ち上げに関しては推進剤充填開始から全てノントラブルであった。
田中:射場準備から非常に順調に進んだ。皆が連携して行った。
長田:射場設備は非常に古い。長いものでは15年経っている、胃をきりきりしている。整備棟やドーリーを整備していたことがあった。VAB-2から第2射点まで運ぶがS字カーブになっている。第1射点はまっすぐ進むので腕を組んで見ていられるがS字の部分、初期開発段階では止まったことがある。速度を抑えてゆっくり進むことでこなしている。


NVS:2段の制御落下、毎回落とし方は変えているか? データの取り方は、i-Ballなど
長田:デブリの問題が高まっているのでやろうということに。4号機からは通常ミッションとして行っている。基本は同じ。i-Ball、再突入の際に機体の破壊を見る装置。


―日本放送:ミッション期間、53・67・56・35日 スケジュールの問題? 最大どのくらい延長可能か
田中:滞在期間は物資の出し入れスケジュールやISS全体で設定されている。設計的に全く違いは無い。60日くらいまでは問題なく係留できる。


―毎日:今後の注意点
ISS軌道とこうのとりの軌道を調整しマヌーバを行いそれがいかに正確に行えるかがランデブーへの第一関門。最終的に接近する時の相対位置精度、などが重要になってくる。

個人的にナイスと思ったのはNVSさんの理事長への質問。そういえば就任以来初の打ち上げでしたね! クールに見えて内心ドキドキだったというのはちょっと和みましたw