三菱重工、H-IIAで静止衛星打ち上げ初受注 課題山積ながら、最初の一歩を踏み出す [日経ビジネス]

JAXAは開発した高度化第2段の実証が行える。三菱重工静止衛星の初商業打ち上げの実績が得られるというわけだ。テレサット社は、「これまで運用実績がない高度化第2段による打ち上げ」というリスクを負うが、これに対しては「すべての技術的内容を説明してテレサット社から了解を得た」(阿部部長)という。

 打ち上げには固体ロケットブースター(SRB-A)を4本装備したH-IIA204を使用する。過去において204は、2006年12月18日打ち上げのH-IIA11号機で使用されたことしかない。その際にJAXAは、機体価格を119億円と公表した。このことから推定して、三菱重工テレサット社に対して、100億円前後の打ち上げ価格を提示したとみられる。

高度化2段目の負担分で若干安くなっていると見られますが、それでも競合他社に比べ割高と言えます。それでも受注にこぎ着けられたと見るか、あるいは通常価格での競争力はどうかと見るか。会見によると2段目高度化で打ち上げ能力向上が図られる前は「引き合いが来ていても能力的に打ち上げられなかった」そうなので、これだけでも大きな改善ではないかと自分は思います。

 日本はH-IIロケット(1994年初めに打ち上げ)以来、静止衛星の国際的な商業打ち上げ市場への参入を目指してきた。今回の契約締結は、19年目の悲願達成と言える。課題は山積しているが、とにもかくにも日本は市場参入に向けて第一歩を踏み出した。

松浦さんもH-II初打ち上げ以前からずっと追いかけていますから、感慨深さがにじみ出ていますね。