視線を外に。日本が世界に貢献できる道筋を探ろう−山崎直子宇宙飛行士に聞く(2) [三菱電機 from ME:DSPACE]

解釈の仕方は色々あって、有人宇宙開発も自律性の確保に入るという考え方もあると思うのですが、安全保障や産業に直結する、短期的プロジェクトの優先順位が高い。長期的な取り組みが必要な有人宇宙開発の議論は、ようやく始まろうとしている状況です。

 今、一番の問題は国際宇宙ステーションISS)の後が見えないこと。ISSは2020年までの運用が検討されているが、その後どうするのか?蓄積された高い技術の『行き場』がないのです。日本が有人宇宙開発を継続するなら国際協力で進めざるを得ない。そうなれば国際間の駆け引きがある。どの国も主要部分や得意な技術を担当したがる。いい立ち位置をとるためには、今から準備しないと乗り遅れ、残りくじを引かざるを得なくなる可能性がある」

 山崎さんは、宇宙利用は必要とした上で、議論が国内の話題に集中しすぎていることを懸念する。外に目を向け、「世界の中の日本」という視点をもつべきだと。

うむ。例えばESAはオリオンMPCVにATVのサービスモジュールを提供することで有人探査に深くコミットしようとしています。日本は「はやぶさ」の実績を買われて小惑星回収ミッションへの参画をNASAから打診されています。HTVなどは国際ミッションなので運用が続いている現在はまだHTV-Rの議論は活発ですが、それでもなかなかまともな予算が付きません。これだけ技術を持っていながらISSと一緒に終わりなんて事になりかねませんよね。