学生自作の人工衛星、打ち上げて観察するものは [読売]

 開発は2011年12月から本格的に始まった。ロケットの打ち上げに便乗する小型衛星の公募に手を挙げたところ、JAXAに「微生物の観察をするというミッションは斬新」と評価され、審査を通過した。

 しかし、実験や研究に没頭できる4年生や大学院生とは違い、作るのは学部生が中心のサークル。知識が乏しかったり、授業が忙しかったりと、開発態勢を整える時点で困難を極めた。

 プロジェクトマネジャーの河村政昭助教(34)は、衛星の開発に全力を注げるメンバー13人を選抜し、約3000万円の開発費用を負担する大学と、実験施設を提供する栃木県産業技術センターの支援を受け、県内で作られる初めての人工衛星に取り組んできた。

 粘菌が生きられる12〜25度の環境を保ち、かつ気密性の高い容器ができるか。カメラは宇宙できちんとピントがあうか。粘菌に栄養分を与え続けられるか――。魔法瓶のように保温できて軽いアルミ合金を材料に使うなど、課題を一つずつクリアしてきた。

 来月2日に発射時の振動に耐えられるか試作機で最後の実験を行い、16日に衛星をJAXAへ引き渡す。学部生を引っ張ってきた河村助教は、「早く宇宙から衛星の電波を届けてほしい」と2年越しの思いを語っている。

これ、粘菌がどんな事になるのか非常に楽しみなんですよね−。