小松の技で宇宙広がれ 探査機の耐熱材軽量化成功 [中日]

 JAXAが、企業や大学との共同研究を公募。同社が応じ一一年十月から開発を始めた。同社は炭素繊維を材料に、独自技術を使って素材の密度を五分の一に減らす一方、二十四層の立体的に織り上げる「三次元多層構造織物」で強度を維持。特殊な樹脂を加えて炭素繊維強化プラスチックとし耐熱性を高めた。大気圏突入時、焼け溶けながら機体を守る。

 探査機が高速で大気圏に再突入する際、機体温度の上昇を抑えることが課題だった。だが、機体が重いほど速度は上がり、熱も上昇するため、機体の軽量化が求められていた。

 また、距離が遠い天体から戻るほど、突入速度が増して高温となるが、この耐熱材で熱の上昇を抑えることができ、さらに高速での突入が可能となる。はやぶさより二、三倍遠い距離から帰還できるという。

 同社は、さらに改良を加えて三五〇〇〜三六〇〇度までの高温に耐えることを目指す。新素材について、はやぶさカプセルの開発者だったJAXAの山田哲哉准教授は「このままでは将来がないと何度も諦めかけていたところに現れた有望な素材。宇宙科学はさらに進化できる」と期待する。

重量1/5! これはブレイクスルー来ましたね。