宇宙開発利用部会 調査・安全小委員会(第9回) 議事録 [文部科学省]

私、「主に高層風」と言いましたが、実はSRB-A(固体ロケットブースター)の燃焼特性も季節によって変わります。つまり、大きくは高層風とSRB-Aの燃焼特性が季節によって変わります。

季節によって燃焼特性が変わる… 気温などでしょうか? 数千度クラスの燃焼からは誤差レベルのイメージでしたが、シビアに計算されているんですね。詳しく聞いてみたいです。

軌道傾斜角を22.4度まで浅くするわけですけれども、技術的には、浅くするから難しいということはないと思います。衛星の静止化に必要なデルタV(増速量)を低減するために、ロケット側でできるだけ軌道傾斜角を浅くするわけですので、第2回の燃焼時間はこれまでよりは長くなると思いますし、ベクトルの方向も変わりますけれども、それが特段技術的な新規要素かというと、それはないと思います。
もう一つ、飛行安全への影響についてですが、これは周回軌道に入ってしまった後の軌道傾斜角の変更ですので、基本的には加速方向に角度をつけて速度ベクトルを曲げる側に吹くだけであって、逆向きに吹くわけではありませんので、飛行安全上の問題はありません。

静止衛星の打ち上げは14号機における「きずな」以来ですが、その時は傾斜角28.5度に投入されていました。「みちびき」は準天頂軌道への打ち上げでしたので少し勝手が違う気がしますがこちらは31.9度、今回は22.4度と大幅に変更されています。