H-IIAロケット25号機/「ひまわり8号」打ち上げ後記者会見 起こし(速報版)

今回もNVSさんの中継から起こさせて頂きました。ありがとうございます。

第1部

MHI阿部:H-IIA25号機は打ち上げから約27分57秒後に正常に分離を確認。本日の成功で成功率96%。H-IIBを合わせると96.6%。


JAXA奥村理事長:安全管理業務を予定通り遂行した。ご支援御礼申し上げる。連続打ち上げで見るとA/Bで23機連続成功となった。国民の生活に資するものを積極的に支援・活用していく。来月末には「はやぶさ2号」の打ち上げが予定されている。明日からまた新たな準備を進めていく。


北川国土交通副大臣:打ち上げ成功を目撃し感激。世界最先端の性能を有している衛星を世界に先駆けて打ち上げた。大変期待している。


藤井文部科学副大臣:爆音と共に飛ぶロケットを見て感激した。H-IIA19機連続成功。世界レベルと印象付けるもの。国際市場での活躍を期待。「はやぶさ2」は9月には搬入されている。


内閣府副大臣:極めて精度の高いことを成し遂げている。生活面での向上に資する活躍を期待。



NHK:阿部さんへ。19機連続打ち上げをどう捉えているか。
何機連続というより1機1機積み上げていく考え方。世界市場においてオンタイム成功は非常に高い評価。ここで価格的な差を埋めていきたい。


NHK:奥村さんへ。96%となったが、開発事業への影響は。
奥村:信頼性が高いことはビジネスに大きな影響を与える。H-IIIにも技術基盤を活かして行くし、大きく貢献する一歩である。1つ1つ確実に積み上げていくことが大事。


―:10日後に静止軌道投入、1年後の運用開始
藤村:非常に高分解能の衛星、データの評価をしっかりしていきたい。


南日本新聞:藤村さんへ。世界最先端のセンサを打ち上げたお気持ち
藤村:30年以上の運用実績。世界と協力して進めている。アメリカと協力して次世代型の衛星を打ち上げられた。同じ機能のものがアメリカやEUでも計画されている。その点でもしっかり機能確認して進めていきたい。


鹿児島読売テレビ:藤村さんへ。集中豪雨予測への期待など、災害低減に必要なものは
藤村:大きく3つ。分解能、センサの増加、観測頻度向上。短時間の雨など1時間サイクルでは不十分。これらが観測可能になる。現場で充分に活かしていきたい。


NVS:藤村さんへ。5号までは単機能観測。MTSATで冗長構成、8号以降で地上冗長系。2局になる、継続性ということで意気込みを
藤村:当時はNASDAとの共同だった。MTSAT国交省との共同、今度は単機能で気象庁単独で運用となった。PFI事業で運用することになっている。高い機能のものを高い信頼性のもとでしっかり運用していきたい。


―:MHI阿部さんへ。打ち上げ費用を下げていく時鍵を握るものは。価格は。
阿部:非常に厳しい状況。現行は点検を減らし機能を集約するなど地道な作業。新型基幹ロケットを進め戦っていきたい。

第2部

NHK鹿児島:二村さんへ。台風が来たどのようなはんだんがあったか。
二村:暴風域に入ったが打ち上げ4日前に5日がほぼ作業不可能と予測していた。打ち上げ日をキープするのはどうすれば良いかを考えていた。Y-3から前倒しし5日の作業を完了させ打ち上げ日を迎えられる準備を進めていた。



―:ひまわり8号分離高度は
二村:手元の資料がないので後ほど


―:森さんへ。フルモデルチェンジだが、性能や特徴でどのような期待を
森:3つの性能アップ。解像度が2倍に、チャンネルが約3倍に、観測頻度が日本付近では2.5分で。解像度はより鮮明なデータが取れるように、頻度はきめ細かく、局地的な大雨に役立つ。チャンネル数は新しいデータが取れるようになる。可視が2チャンネルから3チャンネルでカラーになる。黄砂や火山灰が識別しやすくなる。より大きくは台風進路予報。刻々と迫る台風は静止気象衛星でないと観測できない。これらの機能をフルに使い予報精度向上に繋げていきたい。


南日本新聞:9号への期待は
南:8号を打ち上げて頂き大きな山は越えたが静止化や試験を経て来年夏頃の運用開始、これらを着実に。7号がバックアップになる。28年度の9号打ち上げでさらに静止気象衛星の運用をより盤石にする。


―日本放送:開発にあたって一番苦労された点は。8号は現場からの要求は
南:世界最先端のセンサを積んでいるところ。他国の状況を見れるが、最先端だと我々が進めていかなければならない。打ち上げ後はEUアメリカが注目しているのである意味誇りであり、責任感もある。予報の現場からは監視機能を上げること、防災情報に繋がる。3つの性能アップで応えている。予報業務に活かすこと。アメダスやレーダーと複合的に活用し物理的方程式に入れる。数値予報。スパコンで計算。これらに更に活かしていく。


NVS三菱重工二村さんへ。久しぶりの静止衛星だが軌道投入精度は
二村:確かに久しぶり。極に入れるミッションの倍の時間、若干疲れた気がする。最終的評価については確認が必要だが、抽象的にいうと「ピッタリ」。


南日本新聞:二村さんと長尾さんへ。2ヶ月経たずはやぶさ2への日程。これまでと変える点は。
二村:非常に短期間である。ひまわり8号もそうであり非常に注目されている。これまでどおりきっちり打ち上げられるよう準備を進めていきたい。
長尾:非常に打ち上げが近い。一つの挑戦。大きな目標を与えられた。台風が来るなどあると思うが最善を尽くして予定通りできるよう全力で進めていきたい。


NVS:長尾さんへ。今回の台風、島民のかたが10年ぶりだというほどの直撃だったそうだが、設備ダメージなどは。
長尾:全ては見ていないが、それなりの被害は発生。道路の木が崩れてるなど。屋根やフェンスが風に煽られやすく老朽化している部分含めて損傷している箇所がある。早い対応をしたい。


NHK:二村さんへ。打ち上げ執行責任となって全てオンタイム。秘訣などは。
二村:最初の期待は非常に延期してしまった。台風や不適合など。それ以降はオンタイムであるが。私自身に秘訣があるのではなくチームワークであるが、モチベーションや、課題を見つけた時に視野を狭く持つのではなく広い角度から、洗い出し作業などサイクル的ワークになってきているのでこれが予定通りの打ち上げに繋がっているのだと思う。


NVS気象庁森さんへ。8号・9号と気象衛星が今回短いスパンでの打ち上げだが、ひまわり10号以降の長期的な計画は
森:2機体勢が基本。修理に行けないため。6・7号があり、8・9号機がまた対になる。寿命が長くなっている。観測機能が7年、単純にいうと2機で14年。それだけの期間があるのでその次の時代の最先端を想像するのは難しい。衛星を作るのに5年。それらを念頭に置きながらまた次の2機を考えていく。ただちには考えていない。

今回は台風直撃を挟んでの打ち上げでしたが、作業を前倒しで進めることで対応したそうです。大変でしたね。