ひと:国中均さん=小惑星探査機「はやぶさ2」プロジェクトを率いる [毎日]

要ログイン記事。

「順調な話は一つもなく、耳に入るのはうまくない話ばかり」。部品の納期の遅れなど、技術力だけで対応できない問題では、海外の工場に担当者を派遣して直談判させた。

 2010年に帰還した初号機と姿はほぼ同じだが、機体の7割以上はリニューアル。わずか2年半で開発した。その間、何百回も難しい判断を迫られ、「ひるんだら失敗する。一歩前へと出る選択を心掛けた」。

クローズアップ2014:30日打ち上げ「はやぶさ2」 生命誕生、解明に挑む 水、有機物ある小惑星探査 [毎日]

 はやぶさ2は初号機より約100キロ重いが、国中教授によると、増加分の半分はトラブルに備えてミッションに欠かせない機能をバックアップする部品などに充てたという。初号機で故障が相次いだ姿勢制御装置は、1台増やして4台にした。外観で最も変わった二つ目の平面アンテナも、大容量のデータ送信を担うとともに、片方が不具合を起こした際の補完役を果たす。

「はやぶさ2」 多重の安全策の中身 30日打ち上げ [産経]

 今回は配管が破損、凍結しないよう溶接箇所を減らしたり、2系統ある配管を別々に温めたりする対策を取った。

 宇宙空間で機体の姿勢を安定させるのに使う姿勢制御装置は、こまが回転する原理を利用する仕組み。初代は3基のうち2基が故障し、残る1基を頼りに奇跡的な帰還を果たした。今回は予備の1基を含む4基とし、精密な制御が必要なときだけ3基を使うなど極力温存する予定だ。

「日本は捨てたものではない…はやぶさ2で次の一手を」 責任者に聞く [産経]

 −−日本が小惑星探査を続けるのはなぜか

 「宇宙技術全体では米露が非常に進んでいるが、小惑星から物質を持ち帰る分野では、初代はやぶさが初めて技術を実証し、日本は捨てたものではないと世界に証明できた。ただ、手をこまねいていては海外に逆転される。はやぶさ2で次の一手を打つ」

はやぶさ2」では初号機でのトラブルを踏まえ、設計変更の大半の部分を費やしてかなり堅牢な設計に。たった3年足らずという超短期間でよくここまで纏め上げることができましたよね。その真価を発揮する時が近付いています。