H-IIA26号機/「はやぶさ2」打ち上げ見学記 2014.12.03 その2


さあ、夜が明けました! 機体移動の記事をアップしてから3時間くらいは寝ましたよ。テンション上がってきた。



恵美之江への車列が更に伸びております。自分たちの泊まっている宿の近くの道にまで達しておりました。いやいや、これ全部入りきれるんでしょうか?




さあ自分たちはどこで観戦するのかといいますと、こちらの「恵美の湯」です。ん? 恵美之江の間違いでは? いえいえ、実は今回の延期に伴い温泉宿の恵美の湯さんでツアーの一斉キャンセルがあったそうで、1000円で屋上を開放してくださるという情報を得て我々は予約したのであります。この道を進んだ途中で分岐しております。ちなみにこの恵美の湯さん、以前起きた火災で休業され、その跡地が打ち上げ見学の穴場になっていたのですが、今年から温泉宿として再開され、封鎖されていた崖の上の方の広場が「恵美之江展望公園」として整備された運びなのです。なので本来「恵美の湯」は私有地なのです。




恵美の湯へ到着。




早速屋上に上ってみました。絶好のロケーションです! 元々見晴らしはいい場所なのですが、更に視界が開けて非常に開放感があります。




射点には打ち上げに向けて作業が進められるH-IIA26号機の姿がしっかりと見えます。MHIのカウントダウンレポートによると、既に推進剤の充填は完了し、各種試験が進められているようです。順調ですね。




下には何やら「4K」の文字が。あれかな、例の中継かな?




さて、今日は曇りの予報が出ていましたが、この通りピーカン模様! 昨日までの風が嘘のように止み、穏やかな陽気に包まれています。なんという打ち上げ日和でしょうか。気象班有能。




中継班も集まってきました。




有り余る睡眠不足を打破するためリポD運用を開始。てかまあ、ここまで来たら全然眠くないんですけどね。有り難いことにリポDめっちゃ貰っちゃいましたから。




宿にトイレを借りに。新築だけあって内装がめちゃくちゃ綺麗です。



打ち上げまでの間しばし時間を潰していると、12時から上の恵美之江で限定缶バッジを配布するとの情報を頂きました。まだ1時間以上の余裕はあるので、徒歩で向かいます。




このあたりは本当に荒れた道で、所々で崖崩れが起きています。大雨の後や夜間などは特に注意が必要です。めっちゃこえええ…




さあ、およそ10分ほど歩いて江の方に来ましたよ。高低差があってめっちゃ疲れる。こちらは何百人ものキャパがあり、大賑わいを見せています。屋台も出てますねえ。あちこちでテレビ局などの取材が行われており、すっかりメジャースポットの様相ですw




おや、こちらは昨日海岸で見かけたライダーの方のバイクですね。他にもツーリングでやってこられた方多数と見受けられます。



 


無事にゲット! あとはやぶさ2仕様のリポDも配布されていたのでこちらも確保しましたよ。缶バッジが「11月30日」になっているのはご愛敬。




ジバニャンに遭遇。そういえばコラボしてましたもんね。子供達にめっちゃ人気でした。しかしこれ中の人は一体どうやって歩いてるんでしょうかね。ペンギンみたいな感じでしょうか。




上空を飛行機が。そういえば朝日新聞が長谷や恵美之江を空撮するという話でしたので、もしかしてこれがそうなんでしょうか?





湯に戻ってきました。時刻は12時30分を回りましたが、ここにきて雲が垂れ込めてきました。確かに午後からは雲が出る予報になっていました。しかし島の天気は流動的、今は打ち上げ時間までに少しでも回復することを祈るばかりです。雲は南西方向から流れてきてますが、水平線方向のあの晴れてるようなところがもうちょっとこっちに来てくれないかなあ。




打ち上げ30分前、射点周辺への散水が開始されました。これは打ち上げ時の噴煙による火災を防ぐためのものです。




打ち上げ20分前、やや雲に切れ目が見え始めました。もう少し! もうちょいこっちの方に!




打ち上げまで5分を切り自動カウントダウンシーケンスに。そして上空には青空が! 神風が吹いた!!


リフトオフ

ついにこの時が来ました。



メインエンジン点火、続いてSRB-A点火。リフトオフ! 「行ってこーい!!」 歓声が上がる。




力強く上昇を始めるH-IIA。圧倒的に眩いオレンジ色の閃光を放ちながら、その姿を目に焼き付けるように。
実を言うと、先日のアンタレスロケット打ち上げ失敗の光景がちらついて少し不安な気持ちにさせられていたのですが、そんなものはもうどこにもありませんでした。「任せとけ!」そう言わんばかりの堂々とした後ろ姿。



 
 


雲の間をすり抜け、青い空に向かって突き進んでいくロケット。困難を乗り越えて帰還を果たした「はやぶさ」、その道を受け継いだ「はやぶさ2」が、一時期はプロジェクト存続の危機にも見舞われたあいつが今、とうとう旅立つんですよ。ああーもう鳥肌立ってきた!



 


ロケットはどんどん高度を上げ、SRB-Aを分離。肉眼では難しかったですがカメラにははっきりと写っていました。今回は肉眼で見ることを優先したためあまりズームを寄せていませんでしたが…




トリミングしてみたところこれが一番SRB-A分離が分かりやすかったです。ロケット雲の向こう側に隠れる直前に捉えていました。夜間打ち上げは周りが暗いので追いやすいのですが、日中の打ち上げとなると一度見失えばもうほとんど見つけ出すことはできません。




見学している皆でもう大盛り上がりです。なんせこれまで悪天候で2度の延期、そして今日も打ち上げ直前に雲が晴れ、これだけ見事な打ち上げを見られたのですからそりゃもうカタルシスがたまりません。個人的にも雲の間を突き抜けていく打ち上げが見たかったので、今回のはまさに理想的でした。
存分に見送ったのち、ハイタッチを交わして万歳三唱! ちょっと気が早いですけど今ばかりはいいですよねw


ロケットは1段目を切り離し第2段の第1回燃焼を開始との報。順調です。




6年後、帰ってくるのを待ってるぞー。







長谷方面で見学していた方々と合流して中種子の「STEPPIN' LION」にて昼食。




打ち上げから1時間40後、そろそろ日本上空付近に戻ってきて第2回燃焼を開始しているはずです。だいたいあの辺のどこかにいるんじゃないかな? どうかな?




ハンバーガーを食べながら皆で「はやぶさ2」分離の時を待ちます。




はやぶさ2」分離! カンパーイ!




打ち上げ後の射点を見に行きました。ほんの少しの焦げ跡を残し、静かに佇むML。立つ鳥跡を濁さず。



 


しっかり打ち上げを見送って、温泉でひとっ風呂。いやあー、壮快ですね!



 


夜は種子島に集まった面々で打ち上げの打ち上げです。記者会見を抜け出してきた上坂監督も交え、喜びを分かち合う一時。




今回も現地からマゲシマンさんが1日で作ってきたというM-V5号機のペーパークラフト簡易版(←!??)




7時のニュースが流れると皆で「はやぶさ2」打ち上げ成功の報に聞き耳を立てる。なんと今回NHKも空撮を行っていたようで、こちらも見事な映像が流れていました。流石です。



 


隣の部屋では中の人達らしき方々が打ち上げておられました。喜びのうちに更けてゆく種子島の夜。