はやぶさ2:世界初の観測ロボット駆動装置 開発秘話を語る [毎日]

 栗栖教授が考案したのは、永久磁石を使った装置。固定した板状の永久磁石の間に可動式の円筒形永久磁石を置くシンプルな仕組みだ。弱い電気を流すとモーターが作動、歯車とネジがゆっくり回転して、円筒形磁石を一方の固定磁石から引きはがし、もう一方の磁石の方へ動かす。ある程度近づくと、円筒形磁石は「パチン」と固定磁石に吸着する。部品は数ミリ〜数十ミリだがこの時の衝撃で装置が跳びはね、ロボットが最大約1メートル浮き上がる力になるという。
 だが、課題は山ほどあった。

 まず重さ。ロボット全体を1.6キロに抑えつつ、実験に成功した駆動装置をすべて搭載するため、1装置の上限はなんと30グラムに設定された。500ミリリットル入りの空のペットボトルよりわずかに重い程度だ。栗栖教授は「どうすれば最適なパフォーマンスができるか解析し、マイクログラム(100万分の1グラム)単位で設計した」という。

ミネルバIIローバは3機搭載されていますが、それぞれ駆動部に工夫があって面白いですね。ミネルバII-1はJAXA会津大が開発したもので、2分割構成になっています。こちらのはミネルバII-2で、東北大学東京電機大学大阪大学山形大学東京理科大学が開発したものです。今回報じられた小型の磁石方式に加え、以前報じられたバイメタル方式との2方式構成になっているということでしょうか。