HTV「こうのとり」5号機ミッション記者説明会 文字起こし

今回もNVSさんの中継映像から起こさせていただきました。ありがとうございます。だいぶざっくりとなので細かい部分は録画映像などでご確認いただければ。

HTV技術センター長 成田

(HTVの概要について説明あり)
復路でREX-J・SMILESなどを処分
静電浮遊炉を搭載。多目的実験ラック


質疑応答

―毎日:打ち上げ費用は。ミッション期間の日数は
HTVは140億円。30くらい。軌道上作業を9月〜10月までで調整中。


鹿児島テレビ:小動物飼育装置や静電浮遊炉について
同時に12匹飼育できる。30日飼育できるが骨や筋肉などへの影響について研究。HTVでユニットを打ち上げ、既存の遠心機付き恒温槽に搭載する。静電浮遊炉、宇宙では容器がなくても高融点材のデータを取得できる。絶縁体に対し強み。稀少金属やセラミック。


NVS:ロシアのプログレスやアメリカのドラゴンなどの相次ぐ失敗を受けて搭載物資の変更やスケジュール変更などについては
スケジュールには今のところ影響はないが、物資については今後色々な要求が来ると思われるのでレイトアクセスで入れ替えなど調整したい。


―読売:先日の輸送機の失敗などで役割が重くなると思われるが、こうのとりの役割について。マウス実験はこれまで「きぼう」で行われたことはあるか。
大きな能力を持ち成功を重ねてきている。今後も継続すべく一歩一歩気を引き締めていきたい。物資はかなり詰め込んでいるので確実に届けるのが最大の使命。今後9号機まであと4機を計画している。
「きぼう」で 日本としてマウス実験は行ったことはないが、NASA・イタリアが行っている。


― 毎日:これまでと一番違っているのは船内物資搭載量が増えたことか。4号機と変更している点は
その通りである。レイトアクセスは重いものが運べるよう工夫している。太陽電池発生電力は十分であると判断しパネル56枚から6枚削減。その場所にテザー実験装置を搭載。
―毎回ギリギリまで詰め込んで出発しているのか
容積があるため、小さいけど重いといったものもある。置く場所を色々考えている。


―朝日:保要品は具体的にどのようなものか。飲料水600リットルや食料は何日分か。レイトアクセス入れ替えはどのようなものか。
ISSで利用する実験装置など。水は何日分というよりずっと保管しているもの。レイトアクセスについてはこれからの調整なので具体的にどれかを申し上げるのは難しい。
筑波:水野消費量は人数によって変わってくる。水はリサイクルされている。蒸発など少しずつ減っていくので補給する。600リットルは6人体制と仮定すると再来年2月までに使われる量。ドラゴンにはクルーの衣服、通信装置などが搭載されていた。NASAから打診がある。用意されている分があれば送られてくるのだろうと身構えている。食料について搭載を増やしてくれという要請は今のところない。


―産経:CTBという単位でドラゴンやシグナスと比較されているのか。
その通りである。
―HTV搭載能力6トンは変わらないが、隙間なく搭載すると言った工夫で対応しているということか。
その通りである。効率的に積み込めるようにした。
―スラスター変更の理由は
もともと1〜2号機は海外製だった。平行して国産を開発していた。4号機では海外製予備品を使用して5号機からは再び国産を使用。


―補給船打ち上げ失敗を受けて日本のプレゼンスを高められる期待と、大丈夫かなという心配、そのあたりの心構えなど。マウスはHTVで運ばないのか。
4号機まで成功を続けてきたが、先日の事故までも心を緩めることなく確実にするための活動をしてきた。今後も1つ1つ作業を進めていきたい。
マウスは他の補給船で調整中。秋から冬にかけて実験を行いたい。


―ライター林:6トンのうちどれくらい搭載するか
現在5.4〜5.5トン搭載予定。
―まだ増やす容量はあるということか
容積的にはいっぱい。そこでレイトアクセス入れ替えの可能性。
―マウス搭載はどの宇宙船を想定しているか。
SpaceXを想定していたがスケジュールが不明になったので今のところ答えられない。早いうちに決めたい。
―運べる宇宙船、運べない宇宙船
アメリカでもロシアでもなるべく運べるようにしている、現在はアメリカ(シグナス含め)を想定している。


千葉工大のカメラ、希望すれば搭載できるのか。
マニフェストで調整しているので明確には答えられない。NASAから正式に依頼があればNASAの物資として搭載する可能性はある。
―HTVで生きたマウスを搭載することは難しいか。
筑波:現在は運べない。空調、湿度コントロールの問題。現状も循環ファンは付いているが軌道上で動作するもの。技術的には可能だが現在は備わっていない。


―プラズマ電流計測やデブリ観測について
電位計測装置を付けている。いずれもJAXAが手がけている。