金星探査機「あかつき」の金星周回軌道投入結果について [JAXA]

 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構JAXA)は、金星探査機「あかつき」を金星周回軌道に投入することに成功しましたので、お知らせします。
 姿勢制御用エンジン噴射後の探査機軌道の計測と計算の結果、「あかつき」は、金星周回周期約13日14時間、金星に最も近いところ(近金点)では高度約400km、金星から最も遠いところ(遠金点)では高度約44万kmの楕円軌道を、金星の自転と同じ方向に周回していることがわかりました。

 現在、探査機の状態は正常です。

正式発表が来ました。いや、本当にRCSだけで成し遂げちゃいましたね…。予定よりは少し遠金点の近い軌道ですが、ここは噴射時間の違いでしょうかね。正直なところ、RCSだけで軌道投入をという話になった時は「お、いけるか?」という希望が湧いたと同時に「まあ上手いこといけば出来るだろうけど…」という若干の不安視もありました。しかし結果はシーケンスを難なくこなし見事成功。いやあ、物理法則って素晴らしいw
そして早速「あかつき」が取得した画像が送られてきています。これまでの探査機では見られなかった大規模な雲の構造が見受けられ、いきなり謎を突き付けてきていますねw 今後は春まで校正運用を進め、その後軌道をもう少し下げて定常運用に入る予定になっています。
あとよく設計寿命の話がされますが、実際のところ宇宙機の寿命はバッテリーサイクルや推進剤の残量などが大きく左右しています。どちらかというと度重なる近日点通過による熱のダメージ蓄積や電子機器・センサ類への放射線の影響といったところが気になりますが、どちらも今のところ目立った影響は見られず、むしろ予想より健全だったようです。おそらく今後予定されている運用期間に大きな支障は無いのではないでしょうか。非常に楽しみです。