言い方にも色々あるけれど(2)

今回の人質殺害の件については「自業自得」という言い方はあまりしたくないと思って極力気を付けました。 確かに退避勧告の出まくっている「今のイラク」に行くこと、行くにしてもあまりに無防備であったことについて言えば、何らかの被害に遇う事も不可避というか今更言うことですらないと思いますが、アメリカだの自衛隊だのと何の関係もない、変な思想で突っ走ったワケでもないただの無防備な旅行者が政治的に利用され、しまいには生きたまま首をナイフでザクザク切り落とされるというエグイ殺され方(しかもメチャクチャ苦しいらしい)をされる謂れは無いわけで、つまりそんな「業」など彼は持ち合わせていなかった。 ただ、1人の日本人が「日本人である」ということだけで無残に殺された。 その点に関して僕は悲しく思うし、また見境無く粗暴なテロリストに憤りを覚えるのです。


『小泉さん、彼らは自衛隊の撤退を求めています。
さもなくば僕の首をはねると言っています。
すみませんでした。 また日本に帰りたいです』


なら行くなよ、と言いたくもなったが、死んで帰ってきたって仕方が無い…。 それに他の国の人質のように「殺すと言っている、軍を撤退させてくれ」とも言わなかった。 政府の負担になっている事は自覚していたし、殊更叩くような言葉でもなかった。


そして未だに「自己責任」と口にされる事もあるが、これが一連の人質事件で言われだしたのは元々が例の3馬鹿の件で家族の一部の人間が逆ギレ気味に自衛隊撤退を要求しだした事に対してであり、そもそも黙して語らない人間に対して自発的に言う言葉ではない。 むしろ今回の件で家族は一貫して平謝りだった。 細かいようだが人質も『帰りたい』と言っただけで『帰して欲しい』などとも要求していない。 なのでこの「免許証は本人に限り有効」レベルの言葉をやたら振りかざすのは傍目に結構恥ずかしい。

政治的責任まで個人に押し付けるわけでもないでしょう?


憲法では「移動の自由」というものがありますので、改憲でもしない限り「渡航禁止」は出来ないでしょうし、こればかりは旅行者一人一人が気を付けなければなりませんね。



今回の件で意外なのが、殺害後は2ちゃんでは比較的同情的なところです。
ひとまずこの件に関してはこの辺で一区切りと言うことで…