てらきんコラム、ステラナビゲーター、現時点におけるミネルヴァの評価について

NASAのローバーは赤外線とX線の分光器(これは岩石組成を測定するものだ)を搭載した重量2.2ポンド(約1kg)のローバーを2100万ドル(ドル118円換算で、約25億円)で開発しようとしていた。
算項目に「ミネルヴァ開発費」という項目はなく、一般の技術開発経費から予算を引き出してミネルヴァは開発された。開発には5年かかっているが、予算規模200億円の宇宙科学が年間2000万円(これはアウトソーシングで技術者を一人、1年間雇う経費とほぼ等しい)以上を、この小さなローバーに割けるとは、私には考えにくい。
このことと、宇宙用に比べて非常に安い民生部品を使っているということから推定するに、ミネルヴァは1億円程度。ひょっとすると数千万円オーダーで開発されている。

大気の無い宇宙空間では放射線による電子回路への影響が大きく、地上で利用する電化製品のようにはいきません。 そのための専用の部品を導入するとコストが肥大するわけですが、放射線テストをパスした民生品を流用して物凄いコストパフォーマンスを実現したとの事。 さすが慢性的ジリ貧('A`) 小惑星着陸には失敗したもののミネルバ本体は正常に動作し、これが「工学的成功」と言われる一端を担っているようですね。
ちなみに「はやぶさ」本体のイオンエンジンによる惑星間航行の実用化も世界初。 燃えるぜ!