皇室典範〜社説出揃う

肯定論と否定論が入り乱れる中で、朝日は社説とコラムで二分。

天皇制には長い歴史があり、国民の間にもさまざまな意見がある。廃止を望む人もいる。

などと、皇室制度継続を前提とした議論上では本質的に無関係な廃止論を絡めてきたりする一方で

■「女性・女系天皇」こう考える 皇族の運命、徹底議論を -編集委員 岩井克己

吉川弘之座長は「出生率1とすれば3代でゼロになる可能性すらある」と確率論を強調した。
しかし、3代と言えば100年間は継承が可能だ。有識者会議は何百年単位の議論として確率論を持ち出したのか、首をかしげざるをえない。若い世代の置かれた厳しい社会状況を映す少子化を、「産まない選択」は考えにくい皇室に適用するのには唐突感がある。

もともと男系や女系の単系で長い年月にわたって血筋を守るのは難しい。その中で世界に例がないほど男系が続いてきたのが日本の皇室だ。
また、伏見宮系統の旧皇族について、現天皇との共通の祖先が600年さかのぼることや皇籍離脱から60年たったとして復籍を退けた。
しかし、皇室と同格に近い世襲宮家として皇室と伝統を支えてきた由来、また明治天皇が同宮家の男子に次々に新宮家設立を認め、皇女を嫁がせて近親関係を再構築した歴史なども踏まえた上で判断すべきだったのではないだろうか。

男子の継承者は現に6方いるのだから、時間はある。議論を掘り下げ、十分に国民の理解を深める手順を踏まず押し切れば、禍根を残すだろう。
初めて女系天皇を認めることは、天皇制の歴史的大転換である。各政党とも、その重みを十分に認識しつつ、憲法改正に匹敵する十分に年月をかけた取り組みをすべきだろう。

さわりではありますが、このような論説も載っていたりしました。 一種の相対化ともとれますが、この論説には同意できる部分が多いです。 他方、読売などはナベツネのためか当り障りの無い容認論に徹していました。