発信箱:「親日」の土壌=飯田和郎 [毎日]

└(アジアの真実

日本と同じアジア東端にも「親日地域」がある。日本の政府・メディアが国家と呼べない台湾では、多くの人が半世紀も植民地支配した日本に親しみを抱いてくれる。もちろん、トルコと台湾の親日の本質や背景は異なる。だが、小泉アジア外交が迷走する中、日本を近しく思う隣人の存在は地政学的価値を持つ。

世界保健機関(WHO)の年次総会が22日、スイスで始まる。台湾は中国の反対で総会に出席できないままだ。日本政府は02年から台湾が望むオブザーバー参加への支持を表明してきたが、健康は何人(なにびと)も享受できるはず。理不尽には、より大きな声で中国に、世界に訴えていいと思う。

日本からの声援が未来において日台史の遺産になるかもしれない。いや、打算はやめよう。「親台」でも「反中」でもない。正義を重んじた日本の名もない先人たちの振る舞いこそ、親日の土壌を培ってきたのだから。

いい事言った!