靖国は平行線、ガス田は連絡強化で一致…日中外相会談 [読売]

日中関係について、李外相は「和すれば利益があるが、戦えば双方が傷つく関係だ。世界も日中関係の改善を求めている」と強調。小泉首相靖国神社参拝に関しては、「日本の指導者の参拝が、いかに戦争被害国の人民の気持ちを傷つけるか。政治的な障害にもなっており、不適切だった」と批判した。麻生外相は自らの参拝について、「個人の信条と公的な立場を踏まえて適切に判断していく」と述べるにとどめた。

麻生外相は「様々な対話をもっとやるべきだ。困難がある時こそ、やるべきで、日本はオープンだ」と日中首脳会談の再開を呼びかけたが、李外相は明確な返事をしなかった。また、麻生外相が「中国の国防政策の透明性が必要だ」と伝えたのに対し、李外相は「中国の防衛政策は透明性があるし、防御のためのものだ」と述べた。

東シナ海では日中の排他的経済水域EEZ)の境界線が画定しておらず、日本が主張する日中中間線付近の白樺(中国名・春暁)などのガス田で中国側が一方的に開発を進め、緊張が高まっている。このため、不測の事態に備え、救助や航海通報、緊急用電話回線の設置などを進めることで大筋一致した。

また、両外相は、〈1〉外務審議官級による安保対話を年内に開催し、防衛交流も促進する〈2〉国連改革に関する日中間の課題を話し合う局長級協議を開催する――などでも合意した。

ガチンコになるかと思っていましたが、若干距離をとったというか腹の探り合いというか、そんな感じにまとまりましたね。

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麻生氏はまた、「中国の平和的台頭を日本は歓迎する。だが中国の国防政策の透明性が必要だ」など、18年連続で2ケタの伸びを示す中国の軍事拡張路線への懸念を表明。李氏は「万里の長城を見てほしい。あれは透明性もあり、明らかに国防だ」と反論した。

万里の長城が移動を始めたイメージ