種子島:H-IIAロケット11号機・「きく8号」打ち上げ見学日誌 061219

■射点を見に行く


昨日の打ち上げでいつにも増して丸焦げであろう発射台を近場で見に行こうと目論み、またしても見学ツアーに潜り込む。 今度の参加者の皆さんは2日前の時とはなんかオーラが違うw
やはり射点は整備中なので大崎射場のあたりをバスで通過するだけだったのであまりいい絵が撮れず、ロケットの丘展望台から望遠で撮影。 芯まで火が通っている感じですね。 延期が無ければ大阪へ帰るまでにもしかしたら射点の見学も出来たかも知れませんが、今回のはちょっと手間がかかりそうですね。 12号機はともかく、13号機はまたこのMLを使うかと思いますし。
午後のツアーはまだ打ち上げ翌日ともあって満杯でした。 またドッキングゲームをプレイしてから土産を買い込んで帰途につく2時過ぎ頃には急に風が強くなってきました。 やっぱ昨日はいい日だったなあ。


南種子町では打ち上げ成功を祝うのぼりがズラリと掲げられていました。

第2回速報 技術試験衛星VIII型「きく8号」の第1回アポジエンジン噴射結果について [JAXA]

静止軌道に移行するための衛星搭載エンジン噴射、その第1回が順調に行なわれたようです。 ここ1週間が見どころです。

成功記者会見 [宇宙作家クラブ ニュース掲示板]

遠藤:信頼性向上は継続的にデータを見ていく積み重ねだ。これまでの取り組みが積み重なって、今回の打ち上げは非常にスムーズに行った。だからこれで安心というわけではなく、我々にはまだ改善を図るべきことが残されていると感じている。
例えば第1段長ノズル化は8号機以降で3回使うことができた。しかし液体酸素ターボポンプのキャビテーションの問題は未解決だ。打ち上げに問題があるわけではないが、非常にきっちりと運転条件を出さなくてはならない。来年度に新しいターボポンプの設計を確定させたい。またLE-5Bの振動燃焼についても新しい設計を確定し、今年度末に試験に持ち込むところだ。
SRB-Aのノズル浸食も今年の実機大燃焼試験でやっと原因を確定できたと考えている。

こういったところで引き続き信頼性を向上させていきたい。

NHK:遠藤主任へ。ブースター4本の打ち上げが成功したことへのコメントがほしい。年明けには12号機が控えているが、意気込みというかコメントを。

遠藤:ブースター4本化の意味は、実績のある技術を組み合わせて衛星を打ち上げる能力を出すということがすべて。本日うまく働いてくれたということです。実績を着々と積み重ねていくということです。11号機が成功しないと12号機はない。我々は打ち上げを託されているわけで、11号機はそれでおわるものではなく、12号機につながっている。引き続き気を引き締めて取り組んでいきたい。

最大型H-IIAの成功も、ひとえに数々のトラブルや失敗を着実にリカバリーしていった結果ですね。 例えば6号機失敗で浮き彫りになったSRB-Aのノズル損耗問題を改善し今回はそれを4本も同時使用、8号機からの第1段メインエンジンロングノズル化、9号機においては204に耐えるための強度アップ機体を実証、11号機打ち上げ前の極低温点検時に出た不適合への適切な対処。 11号機はこれらが全て結実した打ち上げでした。 また上記会見に挙げられたような技術的課題も着実に道筋を立てて改善に取り組んでいるようなので、来年がまた楽しみです。
思い起こしてみれば、ロケットに始まりロケットに終わった年だったなあ。 しかも全て成功、本当にグッジョブでした。

宿に帰って新聞を読むと朝日は1面で5段ぶち抜きの空撮写真、南日本新聞は7段くらいぶち抜いてましたwww これは買っておけばよかった!