「はやぶさ2」その6:安いことは悪いこと?? [松浦晋也のL/D]

話の主はそのうちの小型衛星について怒っていたのだった。「それでは、規模が1000億円に満たない。そんな計画では産業が保たない」と彼は怒っていた。

こんな状況では、「はやぶさ2」は安い、というのはむしろ計画を通すのにはデメリットとなる。必要なのは大きくて重くて開発に長期間がかかって、宇宙産業に長期間に渡って大きな金額を落とすことが出来る計画だということになってしまうからだ。

JAXAで、「日本の宇宙産業を食わす」という意識が肥大してしまった理由は、1989年の対米通商交渉「スーパー301」に負けて衛星市場を開放してしまったからだ。それまでNASDAは「産業を食わす」ではなく「産業を育てる」というごく当たり前の健全な発想を持っていた。

なるほど有り得る話ですね。 確かに食わせるのも大事ではありますが、それで全部使い切ってちゃ元も子もありませんわな…