ジャンルイ・クロードン 〜ロケットに求められるのは高い信頼性〜 [JAXA]

アリアンスペース東京事務所代表の人のインタビューらしい

初めて商業ビジネスとして打上げに成功したのは1984年ですが、その当時は衛星の商業利用については全く予測ができず、年間に1機ないし3機の衛星を打ち上げるだけでした。

三菱重工業が作ってきたH-IIAロケットは、素晴らしいロケットだと思います。かつて打上げが失敗したことはありましたが、最近は6機連続して打上げにも成功し、信頼度が上がってきています。ただし、ここで考えなければならないことは、民間に移管するという意味は何なのかということです。ロケットなどの宇宙開発には費用も時間もかかりますから、一企業ではできません。民間でロケットを作って利益を得ることはできると思いますが、万が一失敗をしたら、そこで開発が終わってしまう可能性があります。ヨーロッパでもアメリカでもロシアでも、そして日本でも、政府が国策として宇宙開発を打ち出さなければ成り立たないと思います。

年間1〜3機というのは、H-IIAもまさにこれと同じペースですね。 当時と違うのは、今は供給過多であるという点でしょうか。 民間への移管となると、MHIも商売ですから営業を強化して受注を増やすべく努力すると思います。 日本の場合、かつて10機ほど海外から受注していたものがH-II連続失敗後にキャンセルされたと聞きますが、これは信頼性というより(特に日本は)失敗する度に年単位で空白期間を置いてしまう事の方が大きい気がします。 顧客にも予定というものがありますし。 まあ、衛星もロケットも民間になれば、失敗した時に税金の無駄とか言われずに済むのでしょうか? H-IIAというシステムはMHIに移管されますが、JAXAとしてはH-IIBが控えていますし、12号機打ち上げ後の会見で述べられていたとおり共通するコンポーネントの信頼性向上は今後も共同開発でしょう。

JAXAはこれまでに素晴らしい仕事をしてきました。また、今もいい仕事をしています。しかし、そのことがあまり日本の国民に伝わっていないように思います。これは非常に残念なことですが、その責任は、報道する記者への説明が不足しているからかもしれません。
打上げが失敗した時には、「失敗」だけが取り上げられ、JAXAが何か大変な悪いことをしたという報道しかされませんし、JAXAのコメントも「申し訳ないことをしました」という謝罪の言葉だけです。私は、ロケットの打上げが延期になっただけでも、まるで失敗したかのように新聞に書かれているのを見たことがあります。私はこれらのことに疑問を感じています。なぜなら、宇宙開発には失敗がつきものだからです。絶対に失敗は起こります。ですから、失敗した時には、謝罪の言葉ではなく、これから失敗を少なくしましょうという前向きの報道をするべきだと思います。ヨーロッパのように、常日頃から記者によい説明をし、記者からの協力を得られるような関係を築いていたらよいのかもしれません。

なんかはっきり言っちゃう人ですねw あちらでは打ち上げ失敗後の記者会見でも記者席から拍手が出たと「宇宙へのパスポート」か何かで読みました。 土壌の違いというのがあるかもしれませんが、常日頃から理解を深めてもらう、記者を育てる、広報努力というのも運用を円滑にするためのリスクヘッジの一環かもしれませんね。 そのあたり、「はやぶさ」が何らかのきっかけになってきている気がします。