「はやぶさ」の現状について [ISAS/JAXA]

公式リリースキター。 いよいよ、今月中旬にもイトカワの軌道を離脱開始する模様です!

はやぶさ」の姿勢制御については、これまでリアクションホイール3基のうち2基に不具合が生じていること、化学エンジンの燃料が全て喪失している状態となっていることを踏まえ、2007年2月より、イオンエンジンの運転のための新たな姿勢制御方式を採用、試験を実施し、3月下旬から徐々にイオンエンジンの運転を試みています。このイオンエンジンを運転する上では、その推力方向のアライメントを維持する姿勢制御機能の確立に時間を要していましたが、この方策に目処がつけられる見込みがたったため、4月中旬より地球への帰還に向けた本格的な巡航運転を開始する予定です。

帰還開始のタイムリミットとしては2月から数ヶ月間の余裕があったそうで、その間姿勢変更のテストにかなり余念が無かったようです。 去年12月に行なったベーキング作業(機体をヒーターで温めて漏洩ガスを追い出す作業)では、わずかに残っていたガスの噴出と思われる微妙な姿勢変動が起きたそうで、これは初耳でしたが、その後無事に作業を終えたことはすでにリリースされている通りですね。

>>はやぶさ帰還作業開始へ 姿勢制御装置故障で厳しい運用 [共同]

ただ、はやぶさの3つの姿勢制御装置のうち2つは故障。残る1つも同型のため今後の故障も予想され、その場合、帰還できなくなる恐れが強いという。同機構の川口淳一郎教授は「故障した場合の検討を始めたが、現時点で有効な対応策はない。運用は厳しいが、10年6月の帰還に向け努力する」と話している。

やはりネックは残る1つのリアクションホイール。 今のところ問題は出ていませんが、これが故障した場合についてまだ課題が残っているようです。 かなり慎重な運用が強いられそうですが、何とか乗り切って欲しいと願うばかり。