『虚無回廊』を読んだ

小松左京氏作の未完の大作。 早く続きが読みたくて辛抱たまりません!
差し渡し数光年という天文的サイズの人工構造体が突如現れ、そこに片道数10年という長旅を行なう無人探査機に搭載された「人工実存」という、教育を受けた人格(のようなもの)がとてつもない謎の解明に挑むというとてつもなくスケールのでかいSF。 当然ながら「ファーストコンタクト」もあり、お互いに手探りでコミュニケーションを成立させていく描写がそれだけで興奮させられます。 もっともそれはストーリーのほんのとっかかりに過ぎず、何世代にも渡りこの構造体を探査を行なってきた種族が出てきたり、またそもそもこの構造体が果たして人工的な構造物であるのかという点に切り込んだと、そこまで行っておきながら実にいいところで7年くらいお預け食っている状態であります。 作者の小松氏もなにぶんお年ですが、どうかこの遠大で刺激的なストーリーを完結まで導いていただきたいところであります。


虚無回廊 I〜III
小松左京 (著)
出版社:角川春樹事務所