宇宙の太陽光をレーザー光に変換、地上へ 阪大など開発 [朝日]

模擬太陽ランプを使った実験で、新開発のセラミック材料を使い、大出力のレーザー光に増幅することに成功した。これまで、数%〜10%程度だった太陽光からの変換効率を42%に高めた。波長の幅広い太陽光を吸収できるクロムと、太陽光を効率よくレーザー光に変換できるネオジムを、セラミック材料に高密度に注入して実現した。

太陽光は、大気や雲に吸収され、地表に届くのは3割程度。一方、宇宙では、昼夜や天候に左右されずに利用できる。このため、宇宙からレーザー光で地表に運べば、利用可能なエネルギーは、地表の5〜10倍になる。

JAXAは2030年を目標に、100〜200メートルの反射鏡を備えた人工衛星を打ち上げ、レーザー光に変換して地上に発射、発電や水素製造に利用する研究を進めている。当面の目標は変換効率50%だ。米国では米航空宇宙局(NASA)がこの分野から撤退、日本が開発の主導権を握る。

変換効率の向上が凄いですね。 安全性に関して言えば、光強度が10倍程度で短時間浴びても問題無いレベルの設計だそうです。 で、これを軌道上から地上に送り電力に変換、あるいはそのエネルギーから水素を生成し貯蔵するという利用方法が考えられているそうです。 受信設備は複数のメガフロートを用い、天候の影響などを極力回避することが出来ます。 以前は軌道上に太陽電池パネルを大規模展開しマイクロ波で地上に伝送するという構想があり、その場合だとプロセスが複雑化して衛星の規模が極端に肥大化するという問題があったそうですが、今回のものはそれの大幅な簡素化が期待できるらしい。 集光装置は数百メートル規模のものが必要になってきますが、最近では膜面展開やモジュール型展開装置なども実用レベルに達しつつありますし、軌道上への輸送コストを解決すれば実現性も高くなりそうですね。