実現の瀬戸際に立つ「はやぶさ2」 [日経BP]

現在、文部科学省の宇宙開発委員会は、アメリカの有人月探査に対応するため、月探査ワーキンググループという会合を作り、議論している。9月18日の第2回会合で、説明者として出席した川口淳一郎ISAS教授(JSPEC月・惑星探査推進ディレクタを併任)から、JAXAは「はやぶさ2 」を、国際協力を前提にして進める意向であるとの発言が出た。

現状では外国のロケットで打ち上げることが実施の前提条件となっているという。川口教授は、この前提条件について「指示されている」と述べ、JAXA首脳部がこのような意向を持っていることを示唆した。

つまり、JAXA首脳部は「はやぶさ2」打ち上げのためにH-IIAロケットを使用する意志がなく、「はやぶさ」を打ち上げた「M-V」相当のロケットを海外から調達せよと、検討の現場に指示が出ているということである。

実際「はやぶさ2」は、JAXA内で「ひょっとして、いじめられている?」と疑えるほどの扱いを受けているようだ。昨年末に行われた、今年度予算折衝で、「はやぶさ2」は着手のために5億円を要求した。折衝の席上、財務省文部科学省の側からJAXAに対して、「数億円なりつけるべきではないか」という発言があったが、JAXAはそれを退け、結果は5000万円となった。予算を出す側が、「予算をつけようか」と言ったのに対して、JAXAは「いらない」と答えたのである。
霞が関側の関係者はJAXAの態度を奇妙に思ったという。ある担当者は「独立行政法人は、かつての特殊法人よりも独立性が高い。こちらが『いるか』というものをJAXAが『いらない』と返すならば、官の側から計画実施を強制することはできない」と話した。

ぇ-。 あれだけ世間を沸かせたミッションもなかなか無いというのにものっそい冷遇ですなあ… 省や現場は乗り気なのにJAXA上層部はやたらのらりくらり。 この分だとSELENE後継機も本気で怪しく思えてきますよ。